司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1225 ノア
そういう"善意で施してくれてる"と思っているところが。お前が魅力的で手に入れたいから、花でもドレスでもケーキでも差し出しているとは、思ったことねぇのか?
(短く鼻を鳴らし、それ以上は何も言わなかった。本人が「なんでもない」と言うのなら、それ以上言及しない。そういうときに無理に突っ込んでも、大抵は面倒な話が返ってくるものだ。再び彼女が傍に寄ってくるのに視線を落とせば、彼女はどこか楽しげにこちらを見上げていた。しかしその目はさっきまでこの外出を楽しんでいる時のようなものではなくて。気を引くために容赦なく靴を投げようとするのはできるくせに、そういうところは妙に素直じゃないのだ。やれやれと首を横にゆるく振ると、先程の彼女との戯れあいで自分が言いたかったことを述べた。善意で水を与えていると思うのは間違いで……しかもこの学園の連中は特に腹に何を抱えて彼女に近付いているのかわからないだろう。今日の外出のきっかけが報酬ありきだった自分のように。どこか他人事のように語る姿と、彼女自身の評価にへぇ。と珍しく相槌を打ち続きを促す。どうやら物語の中の彼女は"守られる側"ですらなく、“傍観者”気取りのようだ。だが、結局人生の中心は自分であって、他人ではない。――なにより、今日の彼女は剥き出しの岩肌に爪をかけ、登ろうとしていたのではないか。自覚はなくとも、自分にはそう見えた。肩に引っ掛けていた紙袋を持ち上げてヒラヒラと見せると唇の端をわずかに持ち上げ、横目で彼女の反応を窺う)
……悪役は力不足だろ。脅威も感じられねぇし。それに、今日はただ見てるだけじゃなかったろ。
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