司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1253 ノア
……言いたいことがあるなら言え。
(ノアの様子を横目で見れば、視線はすでに街の先を見据えていた。ベンチ、服屋、バス停──相手とこうして多くのことを話し、戯れるのもバス停までだ。乗車客は生徒たちばかりだろうし、野次馬されるのも気に食わない。彼女の首から下がった石が夕日を反射して目に入ってくる。あのカラスに帰宅を促されているようでやや不服だが、彼女の居場所に返してやるまでが約束だ……カラスの顔を思い出していれば、彼女から面白がるような視線を感じた。ジャックの話といい、あの温かい視線にはどうにも居心地が悪い。さっきからなんだとまた妙なことを考えてやがるな、と僅かに眉を顰めながらカラスをシッシッと頭から追放して。──隣にあった気配が僅かに遠ざかるのを感じ、呆れたように鼻を鳴らす。牙を剥かれるのを恐れる獣のように、だが決して逃げるつもりではない距離の取り方。豪胆なんだか、それとも世間を知らなさすぎるのか……あれだけ自分のことを子ども扱いしていたというのに、今更すぎる反応だとこめかみに手を当てて。視線を向けた先の腕に無意識の力がこもったのがわかり、脅しすぎたかと雰囲気を軽くして。食うだけ食って後腐れがないなら物語はそこで啓発本としての役目を終えるだろう。人生は不平等で、奪われた者は空虚を抱えて生きてゆくのだ。ゆるりと口の端を持ち上げながら、喉の奥で低く笑って)
ヒエラルキーの頂点は常に選ぶ側だからな。にしても、本当に物語のオヒメサマみたいな考えだな、ずっと城の中で生きてきたのか?
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