司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>レオナ
・・・落としませんよ。王子様に見つけてもらう為に靴を置いてくるくらいなら、そもそも王子様に靴を投げつけるくらいの気概を持っているつもりです
( 楽しかったなら、良かったと思うのは、こちらも同じこと。笑みを浮かべて、まるでこちらが求められることを喜んでいるみたいな言い方をして、上機嫌に頬を撫でる指先は擽ったいし生意気だし、噛み付いてやろうだなんて牙を一旦置いたのは随分この生徒も満足気だったからに他ならず。手から離れた布の代わりに渡されたのは小箱、覗き見た箱の中身は欲しがっていた焼き菓子でパッと目が輝き。嬉しそうに両腕で抱えて、先を行った獅子の後を追う・・・示されたとおりに扉を先に通り抜けて、傾きかけた陽の下で振り向いたなら、聞こえた声に僅かに眩しそうに目を細め──だって、この生徒は興味がないだろうがファミリーネームは些か目立つのだもの。少し影の伸びた外の風景も幻想的で、同時に少しだけ心の中が寂しくなる。単純にこの時間が終わるからなのか、少し冷えた空気がそうさせるのかは分からないけれど、夕焼けも似合う獅子の青年を真っ直ぐに見上げて・・・もちろん、吐く言葉は意地悪への意趣返しを多分に含んだ冗談であり、煽り文句だが )
それに、うん、キミが言う通り潜在意識なのかもしれませんしね──帰りましょう、レオナさん。街が暗くなるとタチの悪い狼が出ると、前に本の一節で読みましたよ
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