司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1216 ノア
お前の冗談は分かりづらいんだよ。……ハッ。アイツは傲慢だからな。
(自分にやり込められても尚立ち向かってくる相手のことだ、サバンナのド真ん中で寝始めても不思議ではない――と、ど失礼なことを考えながら、椅子に深く背を預けてため息混じりに呟く。彼女から飛び出した意外なエピソードに、興味深そうに眉を上げてみせるが、その言葉は同意のようでこの場にいない男への皮肉が混じっている。司書がその部屋を良い部屋だとするのも、クルーウェルのお節介を百科事典扱いしていると思うのも、彼女の感覚はどうにもズレているようにしか思えない。が、今回はスカした野郎の気遣いが全く届いていないことが滑稽なのでこれ幸いと彼女に便乗して嘲笑うように口端を持ち上げた。彼女のぎこちない注文を聞きながら、彼女のメニューを辿る手と握り込まれた手に視線を落とした。ほんの僅かに、その拳が小さくなったのを見て、メニューを指すような素振りで彼女の拳に自分の手をそっと伸ばした。少し硬直したその指を、食いこんだ爪の形を、確かめるように指先で撫でて、リボンを解くように手のひらを開かせる。そして、手のひらが爪痕まみれにならないように彼女の手のひらの代わりに自分の指先を絡めた。彼女の手からメニューへと視線をスライドさせると、どこかの女性客が宝石みたい!とはしゃいでいた声を思い出してタルトを選んだ。それから、彼女の緊張っぷりを、"いつものように"からかったように下瞼を引き上げて見つめた)
──フルーツタルト。チョコレートケーキ1つだけで足りるのか?夕食が食えなくなってもレディを叱る人は誰もいないぜ。
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