司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1208 ノア
そうだな。なら今度はチョコレートと……それから若者の間で人気のスポットもだったか。
(彼女の手がチョーカーから離れると同時に自分も視線を外し、つまらなさそうにまた頬杖をついたが、ノアが楽しそうにケーキを選ぶ姿を目にして、少しばかり目元を細めた。彼女の反応が思ったよりも良く、悪くない気分だと椅子の下ではゆらゆらと尻尾が緩慢に揺れていた。彼女の吐露に手のひらから顎を離した。椅子の背もたれに体重を預けながら、頷くように目を閉じる。内容は想像していたよりも厄介なものではあったが、同時に興味も湧く。彼女の流暢すぎる古代語にもこれで納得がいった。頭を使うことが好きな自分にとって、まるで最後のパズルピースがハマったときのような感覚だ。静かに一通り聞いたあと、普段の斜に構えた態度を少しだけ崩して。しかし、そこまで深刻に捉えるつもりも相手に思わせたくもなく、あくまで自分らしい軽い調子で話す。彼女が街に行きたいのだと、同じように己に教えてくれた時自分は彼女に外に出る権利があると述べた。その意見は、彼女の背景事情を知った今でも変わらない。その証拠……というほどでもないが、ポケットから折り目がしっかりついたメモ用紙を取り出して彼女の前に広げた。メモは服屋のオーナーがくれた彼女が好きそうな店のリストだ。チョコレート、紅茶、アイスクリーム、有名なカフェやフォトスポットなどが一列に並んでいる。禁書だの呪文だの物騒なものに記憶の容量を割いて陰気なままでいるより、光へと導くものを覚えた方が良い。「覚えたか?」とノアのチョーカーに一瞬目をやり、意味ありげにニンマリと笑みを浮かべる)
――なるほど。お前が制限される理由はわかった。だが、俺はここに来る前に言った言葉を変えるつもりはない。今度俺と街を降りる時は、チョーカーは不要だ。それと、これはカモフラージュの質問じゃないが――……遠出するならどんな国がいい?学園長に言いつける訳でもない。
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