司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1202 ノア
抱え込んで沈んでゆくつもりか?
(顔まで曇り空になった相手の表情に目敏く気付いた。睫毛で目元に影を作る相手が何か言いたげに首をもたげるも、結局口を真一文字に結びこちらに頭を寄せてきて影に隠れてよく見えなくなってしまった。絶ッ対に面倒なことを相手は抱えている。薮蛇……と一瞬過ぎるものの、既に自分がつついて蛇が出たあとなの話かと口を開いた。首を傾げると、彼女の方へと三つ編みが垂れた。耳をぬるい風が撫でる。振りほどくように耳が激しく反応し後ろに向いた代わりに、鋭い視線だけ相手に寄越す。不満気な顔をしてしまった時点で彼女はご満悦なのだろう。陽の光を浴びる容姿相応の彼女の表情を見て、深く息を吸った。熱した空気が肺を焼けば、調子乗るなだとかコイツ後先考えてねぇのか?だとか言いたい文句も共に燃え尽き……丁度目当ての店に辿り着いたため、フンと鼻を鳴らした。ガラス張りの扉に近付けば、手と足でお行儀悪く扉を開ける。涼しい風が頬を撫で、心地良さに目を細めた。お姫様抱っこのまま入ったため、店員や近くの客の視線が一斉に突き刺さる。わざわざ周りに聞こえるような声のトーンで見せつけるように彼女にもう一度顔を寄せて)
着いたぞ。嗚呼……真似するのは好意の表れらしいな?そんなに好かれているとは嬉しい限りだ、可愛くてか弱いお嬢さん。
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