司書 2020-03-22 13:34:22 |
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>>1200 ノア
許可したのはお前だろ。後で下ろしてやる。――他人からの奇異の目には敏感なくせに、見守ってくれてるヤツには気づかないんだな。
(曇天の雲の隙間から星を見つけたような顔をしていた司書の姿を思い出す。彼女が手を伸ばしたのは、残念ながら一等星ではない。自分は彼女を心から心配するようなお綺麗な性分はしていない。俺のすぐ傍には彼女にとって輝く星がたくさん煌めいているというのに、彼女からは見えていない。きっと彼女がトラブった時、彼女ために怒って首を跳ねようとしてくれるだろうし、雷を落としてくれるだろうし、彼女以上に嘆いてくれる人は、彼女自身が思うよりも大勢いるのだ。それだというのに彼女はふらふらと別のことに目移りして、自分までも歪んで見ている。彼女の危惧したことを確かめるために周りを見た。辺りはせいぜいバカップルの日常の一部くらいにしか思っていないのだろう。子どもは自分もしてほしいともうすでに自身のことに思考を移しているし、微笑ましそうにこちらと線引きして見ている老夫婦もいる。まぁ、司書の境遇と性格を考えれば嫌がるのは目に見えているのだが、目当ての店が見えてきたので抗議全てをスルーして、聞きたくないとばかりに耳をピルピルと小刻みに動かした。彼女が眩しそうにこちらを見上げているので覗き込むように影を作れば、彼女の薄い唇に今度は耳を寄せる)
急になんだ――日当たりがいい場所。それでいて静かな場所。
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