────その部屋の内こそ屋烏之愛────────
一切れのパンと、野菜の皿と、一本のフォークと、栓をしたままの牛乳の瓶を目の当たりにして、同時に堪え難い空腹に襲われかけている事に気が付いた。
生温かい牛乳の瓶を握りつつ、左手でバタを塗すくった焼麺麭を掴んでガツガツと喰いはじめた。
そのトテモたまらないお美味さをグルグルと頬張って、グシャグシャと噛んで、牛乳と一緒にゴクゴクと嚥み込んだ。
そうしてスッカリ満腹してしまうと、頭の中がだんだんと薄暗いガラン洞に変化し、
貴男の存在を失った静寂という妄言が私に迫り近付いて来て、余りのやる瀬なさに恐れ戦き、ゾッと臓腑を震わせて仕様が無い。
〆
某所
>No.1362 の一読者サマ 〆