菅家の文章生 2020-03-04 16:59:45 |
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願掛けだのまじないだのの類は全く以って当てにしていないんですが、成る程偶には信じてみるのも悪く無い。現にこうして想いが通ったのですから。通うとは言っても一方通行かもしれませんが、今はもう少しだけ、言葉を続けさせてください。
どうしてお前はこうも卑屈なんでしょうね。お願いですから、不甲斐無い主の為にこれ以上袖を濡らすのは止めてください。全ては私の幼稚さと軽率さが招いた事、お前が謝らなければいけない道理なんて何処にもありませんよ。白梅には私を詰る権利がありますし、私にはそれを甘受する義務がある。お前が何と言おうがそう言う物なんです。
…''焦がれる''などと安直に著してしまいましたが、果たして此の表現で正しかったのかは未だ解かりません。唯一つ確かなのは、書に触れる間も外へ出て地を踏み締める間も、眠りへと吸い込まれるふとした瞬間でさえもお前の事を思い出してしまうという事だけ。感情の機微についてはきっと白梅の方が詳しいでしょうから、この感情こそが''焦がれる''と言う物なのか、私に教えてください。そして此れをどうしたら良いのかも。
気持ちを断つ術なら私の方が知りたいくらいです。本当に厄介で煩わしくて鬱陶しい。けれども手放してしまえば最後、後悔するのは目に見えていますから、いつ何時千切れるかも知れない儚い繋がりをこうして恐る恐る手繰り寄せるしかありません。断ち切れないのならばいっそ結んでしまえば良いと考えてしまうのは、私の独り善がりでしょうか。
「伸び伸びと、真っ直ぐに」…これほどまでに私に似つかわしく無い言葉はないと思いますよ、白梅。近頃はこの物思いの所為で食事も碌に喉を通らないと言えば、お前は怒るのでしょうか、それとも嘆いてくれるのでしょうか。何方にしてもそれがお前の言葉ならばと欲してしまう私は、流行り病に罹らずとも既に何処かしら可笑しくなっているのかもしれません。
此処まで感情に任せて綴っているうちに恐ろしい量になってしまいましたが、自分の狭量さが言葉の端端に滲み出ていて読み返すのが躊躇われます。書き損じがあったら申し訳ないと、今の内に謝っておきましょう。慣れた者なら風流な物言いでも出来たのでしょうが、頭の固い私は無作法に言葉を重ねる事しか出来ません。本来先の返信だけで満足すべきなのでしょうが、この遣り場のない青い感情を、一縷の望みと共に此処にそっと置いておきます。
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