匿名 2020-03-04 15:32:18 |
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みんな、俺お母さんになっちゃった。
(ジャックを抱えたまま家族の待つ広めのダイニングルームに入り。そこにいたのは父、母、そして妹の三人。その三人から見た自分はどのように映っているのだろうか。「おかあさんおかあさん」とこちらのことを呼ぶ幼子を抱えた姿はまるで子育てする青年に見えてしまっただろう。自分でもそんな状況を面白く感じては家族に上記のようにふざけてみて。「とても個性的な英霊を呼び寄せてしまったな。」と、苦笑気味に笑う父。「あらあら、可愛い英霊さんを呼んだものね。飴、いる?」と、おっとりとした雰囲気を醸し出しながらジャックに飴を差し出す母。そして、「兄さん?成功したのね?」と静かに問いかける、車いすに座った妹。瞳は確かにこちらを向いているがどこか虚空を見つめている異様な様子に腕の中の相手は気づいたらしく、妹に近寄って頬を撫で、その目を治すと優しく囁く相手に家族は静まり返って。妹は何かを探すようにそろそろ手を動かし、そしてその手がジャックの手を見つけ、被せるように握ると「ジャック…ちゃん?ジャックちゃんはとても優しいのね。でも、気持ちだけ受け取っておくね。ジャックちゃんは兄さんの力になってあげて?」と、私は大丈夫だと告げて。妹の目は何者かの魔術攻撃により光を失ってしまった。おそらくどこかの魔術師による没落した魔術師一家への当てつけだろう。その魔術には執拗な呪いが込められていたらしく、治療しようにもその呪いにより阻害され、今もなお光を失ったままである。しばらく重苦しい空気が続くと、その空気を直そうと後ろからジャックの肩に手を置くと「ジャック、お腹すいてないか?おかあさんのおかあさんがつくるシチューは美味しいんだぞー?」と、話題をそらして。)
お気に召さなかったかな。
(自分なりに親しみを込めての呼び方はどうやら相手の予想外だったらしい。心外だと言われてしまえば、相手の気分を乱すのならやめたほうがいいかもしれないと考え始め。すると、相手が先ほどのジャックのように体を擦り寄せ、腕に指を這わせるとその怪しげな感触に触れられた腕の鳥肌を立たせ。そのあとの爪を立てる行動も、傲慢だろうかと問いかけてくる言動も、いちいち蠱惑的な相手に先ほどから心が波風を立てていて、このまま相手のペースに持っていかれると調子が乱れるため一度深く息を吸い、落ち着いてからこちらの腕に触れる相手の手首をとり「傲慢かどうかは尽くすところを見せてもらってから、考えようかな。」と、人に尽くす鬼など初耳だがそんなに言うならその尽くすところを見てから、どれだけマスターである自分の力になってくれるか、なんとか自分のペースを掴もうとまるで相手を試すような物言いをして。)
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