匿名 2020-03-04 15:32:18 |
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(何度も何度も撫でられてはにかんだ表情に擽ったさを加えては命名されたその鬼の名を元気良く復唱するのだ。「酒呑、酒呑ちゃん!…んー、酒呑お姉ちゃんの方がいいかな、わたしたちはジャックって呼んでね!」見た目年齢は差程離れていない相手、だが精神が熟している相手に年上としての姉的な雰囲気を察知したのか敬称を交えた呼び方へと変換させ、これまた人懐っこい笑みを添えると連れてこられた部屋にて3人の人物をきょとりと見渡す。母と父、妹、相手の家族を目の当たりにした彼女は彼の腕から降りると目の視点が合わぬ彼女の元へとおもむろに近寄った。体の一部が欠けてしまった少女、瞳の光が失われていると感じた瞬間に本能的に動いてしまった体はそろりとその手を握ると泣きそうな程に顔を歪ませる「…何処か痛いの?大丈夫、わたしたちが治してあげる。」盲目だとは気づかなのか何度も何度も少女の輪郭を手で触り大丈夫だと繰り返す。痛いことも嫌なことも全て取り除くと言わんばかりに優しげに。)
「…酒呑ちゃんッ。旦那はんってもしかしてうちのこと年下に見てはったりしてへんよね。んもう、心外やわ…そないな可愛らしい名前付けられるなんて。」
(呼び捨て程度ならと考えていた頭は少女風の呼び名にてぽっきりと出鼻を挫じかれていた。悪気も他意をも感じさせない真剣な顔で言い放たれた言葉に棘を抜かれてしまったのか怒りなどは微塵も無く。それに続くように呼んでくる小さなサーヴァント。怖がられる筈の存在である鬼をちゃん付けにするとは、もしかして天然なんやろか。突如として湧いてきた主人の人柄にやんわりと思考に終止符を打つと「まぁ、好きに呼んだらよろしおす。でもねうちは人に尽くす鬼なんやし、あんたはんにはそれ相応の女として見てもらいたいって思うんは傲慢なんやろか。」詰め寄った距離にて擦り寄る体、男性らしく血管の浮きでた腕っ節にそろりと指を這わせ態とらしく膨れた頬は反撃の狼煙なのか。そこから伸びる手触りの良い肌にそっと爪を立て呟いた。)
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