匿名 2020-03-04 15:32:18 |
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「おわぁ、…んへへ。此処が之からわたしたちのお家になるんでしょ?ずっとずーっとおかあさんと一緒にいられる。帰って来れる場所があるって…なんか暖かいね。」
(僅かな浮遊感に差し入れられた腕は優しく抱きとめそのままこの部屋を後にした。薄暗い部屋から出てしまえば渡り廊下を歩く最中にきょろりと忙しなく見渡す素振りにやや興奮気味に上記を述べる。あたたかい家、帰れる居場所、待っててくれる存在があるのだと感じた瞬間にうきうきと高揚した心は喜びを体現する様に両腕を振り上げ万歳をする。頼りにされている、それだけで飛び上がる程嬉しいのに幼い体に沢山降り注ぐ仮の家族としての存在がこれ程にも愛しいものかと彼の細い首に腕を回し確かめるようにと抱き留める。「後ろの…えっと、鬼のお姉ちゃんと2人で頑張るからね!」腕の中の相手に元気良く告げると鬼の彼女にも笑顔を向けた。)
(人の言霊、逃れられぬ鎖、授けられた証が手の甲で鈍く光様は何度見ても忌々しくそれでいて縛られていると言うサーヴァントとしての宿命が酒を不味く感じさせる。嗚呼、憎たらしい首輪。それが無ければ腹いっぱい貪れるのに…。細められた眼は翳された3つの画を静かに眺めるだけで特に言葉を発することはせず貼り付けたままの表情でからりと笑う。「他人行儀な呼び名は苦手やし、そうやねぇ、呼び捨てでかまへんよ。うちかてあんたはんの事好きに呼んどるんやし…それか旦那はんだけしか呼ばれへん特別な名前付けたってもええし。」愛いらしいと言わんばかりに頬を綻ばせ自身の首元を指で示すと「うちは、鎖に紡がれた従順な飼い犬やし。上手に飼い慣らしてくれるの楽しみやわぁ、」少女を抱き抱えた相手の後ろをゆったりとしたペースでついて行く。今から始まる楽しい遊戯に鬼は人知れず心を躍らせる願いを叶える聖杯なんぞにこれっぽっちも興味は湧かない、それよりも今欲しいんは旦那はんの願いを叶えたその先。沢山の犠牲を糧にし頂に辿り着いたあとそこに何が待っているのか、只それだけだ。遠くを見通す藤色の瞳はやんわりと弧を描く)
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