奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
通報 |
>斑鳩刹那さん
「私が疾風と知り合う前に家族や親戚、親友等を組織によって殺された事は話したと思う。……だが、その話には裏と少々の語弊があったんだ。そう、私は………両親に………捨てられたんだよ。私の家は貧しくてな。家賃すら満足に払えない生活を送っていた。ところがある日、私は両親から『桐恵は親戚の元で暮らすんだ。』と告げられてな。特に疑問も抱かず言われるがまま迎えに来ていた人の車に乗り込んだよ。だが、思えばこの瞬間から私の人生の歯車が……狂い始めていたのかも知れないな。悍しい数々の実験。気味の悪い内装。全てに吐き気を覚えた。そして……その組織から全てを知らされた。借金返済の為に私という存在を組織に売り渡した事。組織によって自分の関係する者が両親を除いて殺された事。……全てが崩壊していく様な感じだった。偽りの生活に……偽りの愛情。私が与えられていたのは………全てが『偽り』だったのだと。……これは、私の両親と私を引き取りに来た組織の一員の……その時のやり取りの録音だ。」
桐恵の手にあったのはボイスレコーダー。
刹那に確認させると桐恵は再生ボタンを押した。
レコーダー
一員『確かに。ではこれにて失礼します。……しかし外道ですね貴方達も。まさか借金の型に自分の娘の頭脳を売り付けるとは。』
父親『あの娘の悪魔じみた頭脳に私達がどれ程世間から批判を受け虐げられたか。まぁ今となってはどうでも良いことですがね。桐恵には親戚の所で暮らす様に、と言ってありますから。』
母親『それにしてもあの娘の異才がこんな形で役に立つなんてね。良かったじゃない貴方。』
父親『ああ、そうだな。厄介払いが出来て借金返済も出来た。正に一石二鳥だよ。最後に役に立ってくれたな。あの出来損ないも。』
カチッ
停止ボタンが押され再生が止まる。
その記録は一人の人間の精神を崩壊させるには十分な内容だった。
トピック検索 |