奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
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>11412 >11417 >刹那さん&烏丸さん(&禁忌さん)
【ニシの組織 本部】
「ハッ!!そうだったアル!おかnじゃないっ。『協力』あったアルね!??稍等【お姉さん、少し待っててね!】!」
もうこの際冷たいだのは蘭花の頭から転がり落ちていた。その白磁の手の甲を握り締めて美女を(禁忌さん)に笑顔を見せるとパッと離れてステンレスのトレーを烏丸さんの近くに置く。元々ノースリーブの衣服を着ている蘭花はそのまま子慣れた動きで右腕の上部をゴムチューブで縛り、そのまま勢い良く二、三回振れば問題無しと言わんばかりの笑みを見せた。
「散々ハヤテに抜かれたからもう慣れたアル。……薬を入れる方は苦手アルけど。えっとアルコールと採血針、それから採血管を三本持ってきたけど足りるアル?あ!セツナとお姉さん血が苦手だったら目を瞑ってていいヨ!私の血は汚くないけど見たくないものは見ない方が幸せネ!汚くないけどっ。」
遠い目をしていた蘭花は疾風の理不尽の様な被検体要員として採られてきた皮膚や採血の数々を思い出す。そして同時に疾風から
『めっちゃ黒いねー。ちょっと汚い。』
と言われた過去を思い出せば刹那さん達の方を振り返り両腕を振りながらこれから行われる事への忠告をする。念押しに自分は健康であると言う意味を含ませた言葉を話せば息を吸って烏丸さんの方へ体を戻し、血管の見え始めた右腕を差し出した。
>11420 >11421 >11429 >七種さん&那由多さん
【デネブ以下略 七種さんの部屋:部屋 廊下:天笠】
scene:恵人
「よーしよしよし。俺は君のそばに居るからなぁ。」
七種さんの鳴き声が薄れ始めた頃、恵人は優しく宥めながら声をかけ始める。
軈て七種さんの瞳の雨が止み、弱々しくもありがとうという言葉を放つのを聞けば恵人は笑顔で「君がそれで嬉しかったならヒーローとして本望だ。」と笑って頭をくしゃくしゃと撫でた。
緩やかに感じられる時間の中で七種さんが那由多さん達の事を口に出せば恵人はすっかり忘れていたのか、天笠になんと言うか思案しながらも己のその場の直感に任せる事。つまりは勢いで何とかしようと思い移動を試みる。……それは突然の来訪者によって拒まれた。
七種さんと言葉を交わす黒い揚羽蝶は先程の黒い霧の気配を感じる様な、もっと違う何かのような。恵人は『何か分からないもの』としか捉えきれない。
ただ少なくとも、乗り越えられる小さな壁を急に大きくするその言い方に恵人は問題を肌で、自己解釈で受け止めていた。
黒い揚羽蝶の問に恵人は自分が持つ『剣のそれ』の既視感を抱きながらも迷いなく自分の心の内を口にする。
「黒揚羽くん、君が何者かは知らない。確かに君の言う通り俺は七種くんの事をまだ過去の記憶の……幼いあの時の事迄しか知らないし、その後何があったのかも、どんな気持ちかも分からない。それでも俺はそれが七種君にとって辛くて胸に留めるのが苦しい事なら受け止めたい。俺と七種くんは違う人間だ。だからこそ違う価値観で、違う気持ちで向き合って手を取り合えば良くなると信じてる。泣き虫だとか臆病だとかは関係ない。俺は七種くんを、七種穂乃花君のことを信じてるし、信頼しているよ。」
優しい笑みは深淵を覗き込んだ事のある眼を向ける。深淵に踏み込む恐怖を知りながら踏み込む事を選べたのは間違いなく那由多さんや……沢山関わってきた人達の事、そして七種さんの向けてくれた眼を本当に信頼出来る恵人の性格故に決めれた事だった。
その黒い揚羽蝶に恵人はそっと左手を伸ばし触れるか触れないか程度に人差し指を少し曲げて止まり木の様な形をとる。
「黒揚羽くんは何か知ってるみたいだが、七種くんの口から俺は話を聞きたい。少しずつでも、たくさんでも。……君が何者かもわからないし少し口が悪い。良くない存在だと見えるだろう。でも、君が七種くんから現れたのなら君も七種君なのかもしれない。なら俺は君を拒みたくは無い。
少なくとも俺は君も……怖いからそうして現れて、話をしてるんじゃないかって思ってしまったんだ。だから、君の事も信じようと思う。『決して悪人ではない』と。
____俺はヒーローだからな。」
愚かなのか、無知なのか。それでも恵人はヒーローであり続けたいと願い、行動する。
黒い揚羽蝶が何か分からなくても拒む様な事はしたくない。
個人は個人でありそれぞれの思考や気持ちがある。
疾風が昔から恵人によく話していたひとつの理論を信じて恵人は七種さんにも、黒い揚羽蝶にも陽の光を宿して笑った。
拒まれようと受け入れられようと挫けない。七種さんの選択肢も、黒い揚羽蝶の選択肢もどのような物であろうと聞くぞと言わんばかりに。
scene:天笠
「ふふっ、お気になさらないで下さい。……そうですね。少し遅い様な気もしますし、1度様子を見てみましょうか。心も身体も負担のかけすぎは良くないですからね。」
口に手を当ててよくある言葉を使えば、心配そうに紡ぐ那由多さんの言葉に当てた手をそのままに少し目を瞑って考えてから天笠は話を始めた。
良かったら一緒に行きましょう?那由多さんにそう声を掛けようとした時に那由多さんが連絡機器を操作しているのを見て声を掛けるのを1度止める。静寂の中那由多さんが打ち終わったような雰囲気を出した頃そっと近寄って天笠は掛けようとしていた言葉をもう一度含んで音にした。
「終わりましたか?良かったら一緒に七種穂乃花さん達の様子を見に行きませんか?」と。
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