奏歌翔音 2020-03-03 18:33:56 ID:5762b1903 |
通報 |
>外道さん(メールにて)
「質問答えてくれてありがとうございます。難しくて全部はわかんなかったけど、多分あたしの気持ちが魔法を変えたのかなーって気がします。友達が苦しんでるのに何もできないのが悔しかったり、あたしを受け入れてくれたことへの嬉しさとか。
忠告、分かりました。さすがに悪への忠誠ごりごりの人には言えませんよ……命惜しいですし。それに、もし正義と悪が直接戦うとしたら、もちろん悪側につきます。まあ、そんな事態を止める協力はすると思いますよ。まあ悪と正義の直接戦争なんて、悪側にも反対する人出るんじゃないですか?被害が大きすぎますし。
ボーナスありがとうございます!ボスのガチャ運祈ってます! 斑鳩那由多」
送信ボタンを押し、夜空に浮かぶ月を見上げた。
>七種穂乃花さん、大海原恵人さん
外道さんにメールを送った直後。那由多は、七種さんの部屋の前にいた。部屋からは何も聞こえない。七種さんと恵人さんが小さな声で話しているのか、それとも眠っているのか。真実がどちらでもないことなど知る由もなかったが、自分が入るところでないことは分かっていた。
無力さに悔しさを覚える。そのまま引き返そうと思い、立ち止まる。
(無力だからって……逃げちゃいけない。もし逃げたりしたら、ほのちゃんは自分自身を責めるかもしれない。それにあの子は、あたしのこの街で初めての友達だ)
「ほのちゃん、あたしはあんたに何もできない。でも、ほのちゃんを置いてくことはしないから。恵人さんみたいに格好良く助けられないけど、一緒に悩むことぐらいさせてよ」
扉越しの悲痛な声は、果たして聞こえたのか。
トピック検索 |