名無しさん 2020-02-26 18:58:59 |
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何がそんなに怖いんだい?……ほら、不自由のない生活をあげよう。
(少女の足に食い込んでいる鎖を力づくで自分に引き寄せる。怯える瞳が可愛そうで仕方がなかった。それと同時に、昔の執事としてこの娘の我儘に付き合っていた自分が、自分より幾分幼い彼女と重なる。当主の子は俺だと何度も泣いたあの頃と重なって吐き気を催した。と、ちょうどそこで部屋の時計が控えめに時を告げる。「ああ、昼時だ。何か持ってきてあげよう。何でもいいよ。」時計の音に救われたようにすっと立ち上がる。怒りに歪みそうになっていた口元に、形ばかりの笑みを浮かべて、少女に優しく問いかけ)
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