△ 2020-02-03 14:03:20 |
通報 |
分からない──、
( 動かした身体は普段なら感じることの無い“重さ”、鉛のような重さを感じ思わず眉を顰める。背中の方に伝わる痛みは羽を脅された時に出来た傷で、未だに鈍く痛むもののそれが取れていくような感覚を覚えたは目の前に居る女が魔法で治したのだと分かり。人間の中にも高度な魔法や多少使える者が居るとは聴いてはいたが、どうやら後者なのは一目瞭然で、痛みが引いたのを確認すると長椅子の足元の方に背を預けるようにして体勢を整え、オレンジ色に染まる相手を見遣れば間違いない。名乗られる事をしなくとも相手の事は“昔から一方的に”知っていた身、問わられた質問にそっと視線を外し答えるも、ちらりと横目で見遣り )
いや……、たまたま、近くにあったからだ。
( 質問に対する答えになっているかは別として、神を信仰する者に悪魔だの天使だのと正体を明かした所で別段驚きもされないだろうが、知られては知られたで何が起こるかは予想が出来ない。運命の歯車を捻じ曲げあらゆるものが、小さな変化言えどいつかは大きな変化へと変わっていく中で、無闇矢鱈に発言しないに限る。きらきらと埃がステンドグラスに反射して光る教会はしんと、静かで遠くから嫌でも耳には聞こえてくる街の活気ある音と相手のとくとく、と鼓膜へ届く心音や息遣い。これが地上だと言うならば天界から堕ちたとて悪くないものだったのかもしれない。ふぅ、と息を吐き出すかのように溜息を吐き出せば落ちてきた衝撃の所為でまだ痛む身体に鞭打ち立ち上がれば服に付いた埃を払い除け )
トピック検索 |