△ 2020-02-03 14:03:20 |
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( 人間にとっては、長い時間を掛けて見守ってきた少女。幼子の頃から知っているその子は聡明で、お淑やか。しかし時には強く、街中を駆け回っている姿も見てきた。遠い天界から眺めているだけで良かった。今では天使や悪魔でさえも人間界に時には降り立ち、その生活を楽しむ者も居るぐらい遥か太古より理解も深まってきた。しかし、会いたいと願えど所詮は悪魔の身。命の灯火を管理し裁く者。天使のように赦しはしない、それだから天使との争いも耐えないのだが。いつ頃からか、その少女の歯車が狂いだし若くして命を落とす運命に変わっていったのは。信じたくないと、しかし天命ならばそれは受け入れなければならない。天使にも悪魔にでさえも、その歯車を弄る事は大罪に価し、決して許される事ではない事を知っていた。それでも、愛おしく、心のそこから想いを寄せているその人間が命を落とすことを受け入れられず、その禁域に手を出し羽を堕とされた。地へと落ちる時間がとても長く感じた。時間の概念などない天界ではこんな体感も初めてで、少しだけ何故か不思議とワクワクした。 )
────、……。
( 鈍い衝撃と共に街の郊外に落ちたものの、流石は悪魔と言うべきか、“その程度”で命を落とす事はないが、エネルギーの源とも言える羽が無くてはそこそこの重症ではあるようで、ふらりふらりと背中の部分が裂けたまま向かったのは小高い丘にあるあの教会。無意識かたまたま視界の隅に移った建物がそこにあっただけだからか、裏口が空いているのを知ると静かに中に入り、神々しくステンドグラスが照らす中、奥座に鎮座する神の像。忌々しいはずのその姿でさえ、今はどうでも良い。座り込んだつもりだったがそのまま倒れ込むようになってしまったようで、どれだけの時間意識を失っていたかは分からない。しかし遠くから聞こえる声に戻りつつある意識で重い瞼を持ち上げ見上げると、視界にぼんやりと霞の掛かった中で映ったのは女の姿。思考が回らないのか、問い掛けらた意味は理解はできど、上手く言葉が出てこない。ひとつだけ瞬きをすると鉛のように重い身体を持ち上げゆっくりと起き上がり )
( /遅くなってしまい申し訳ありません。とても素敵な文章で、こちらの煩わしいのが恥ずかしい限りではありますが…。少しずつ物語を進めていければなと思います。 )
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