いッ──……や、なんでもねぇ。(僅かな残業を終え同僚と雑談を交えた一服をすべく喫煙室へと足を運び、壁に背中を預けた儘だらしなくその場に蹲み込もうとした瞬間走った鋭い痛みに反射的に背筋を正して。先日出来た引っ掻き傷を覆う瘡蓋が摩擦で捲れ上がったのだろうと容易に想像しつつ、訝しげな表情を向けてくる同僚を誤魔化し。長さの残るタバコを暫し見つめるも、なんとはなしに捨てればそそくさと帰路へと就き)