とある吸血鬼 2020-01-07 08:00:03 |
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( ぱちり、目を見開いて瞬きをした。目の前の男の容姿を、改めてまじまじと見てから唖然とする。尖った耳に白過ぎるほどの肌と髪。口から覗く恐ろしく尖った歯。其れを目にして初めて、彼の先程の『人間』と言う単語の意味を理解して。反射的に「泊めて欲しい」等と言ってしまったが、果たして己の身はどうなるのだろうか。背後で微かに吹いた夕暮れ時の冷たい風が頬を撫で、己の恐怖心を煽る。だが、彼の口から続けられた言葉は意外なもの。追い返されるか襲われてしまうかのどちらかだと想定していた己にとっては、驚きの連続である。自分に、一体何が出来るのか。思案してはみるが、今迄の己に出来たことなど勉学位のもの。回答に躊躇い再度息を飲み込むも、此処で答えを誤ることが何を意味するかなど明白で。「私を…、私を貴方のお側に置いて下さい」口を突いて出たその言葉。しまったと前言撤回しようとするも、其れは直ぐに辞めて。いっそ、いく所迄いってしまおう。そう内心呟いては、冷たく此方を見下ろす彼の目を真っ直ぐに見据えて口を開き、縋るような口調で。)私には、行く宛がないんです。貴方の指示には全て従い、雑務をこなして見せましょう。だから、どうか私を此処へ居させて頂けませんか?
(/遅ばせながら、続きを投下させて頂きました。私もこの辺で失礼致します。何卒、宜しくお願い致します)
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