主 2019-12-11 01:03:56 |
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>宝城
ばっ……だ、誰がンな事いったよ!?
(彼女からの言葉はまるで推し量ったかのように心根をぴたりと当てていたもので。思いがけず視線が合ってしまった事もあり、自身の口元を隠すように手の甲を当てれば、その隠した口腔で歯をがちりと噛み締めた。“ちっ、見ろ。やっぱり俺は関係ねーんじゃねえか”と。普段何でもかんでも自分が災いの元のように言う護衛者の姿が脳内をよぎれば、胸中で思い切り悪態をつく。しかしそれも僅かの事、「でもまァ。そうかよ……そりゃよかった」ほっとして力が抜けたのか、壁に背中を当てて小さく笑う。だが彼女からこぼれ出たの謝罪に「ん?」と首を傾げれば「なんで謝ンだよ。あー……、アンタこそ何もしてねェじゃねえか」と視線をはずしたまま頬をかいてぶっきらぼうに口を尖らせた)
>芹華
あのな。確かに今回のこた全部俺が悪りィ、それは間違いねえ。だが世の中には想像を絶する不幸ってもんがあってだな……!
(『また何かやったのか』などと食ってかかってくる相手へ心なしかムッとしたように眦を吊り上げて反論すれば何故だか大きく嘆息されてしまい。人が心配してやってるってのにその様子がなんともイラッとするもので、意識せず握った相手の腕へ篭める力が強くなってしまう。しかし女子供に怒るなどなんとも男らしくない、ダサい行為をしたくない余りに口元をひくつかせるだけに留めたのだが、さらに虐めなどとのたまう相手へ「お前は本当に、自分の事がみえてねェな。お前をイジめるヤツなんざいねェだろうが」と反対側の指先をぴっと突きつけて。もし万が一そんな目に遭えば間違いなく七倍くらいにしてやり返すだろう相手は、なおもやれ確認だやれ落ち着けだの意味のわからない事をぽんぽんぽんぽん言ってくる)
あ――ッ! うるせェ! 心配して何が悪りィ! こんな時に落ち着いてなんざいられるか!
(結局のところ大口を開けて怒鳴った。それはきっとまさにイジメとして映る図だったろう。何しろ、怒声をあげつつも腕はしっかと握ったままなのだから。まばらだが下校していた周囲がしんと凍り付いた。そして。ポツリと。「な? だからよ。行こうぜ、職員室によ……」と、静かに付け足した)
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