ハッカ 2019-11-24 01:36:30 |
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【 荒野の食わせ者 】
そんなに身を硬くせずとも、たかがキスじゃないッスか
(はあ、と溜息交じりにそう告げてみても、監督生の固く握られた両手の拳は緩む気配を見せなかった。噤んだ口に顰められた眉、床を見つめる双眸からは不安と、緊張と、ほんの僅かな嫌悪が見て取れる。そこまで嫌ならば初めからやると言わなければ良かったのに、そう声を掛けようとして、やっぱりやめた。本来ならば手に入れられるはずのなかった獲物を一瞬だけでも味見出来るこのチャンス、下手な言動で不意にはしたくない。代わりに右手を頬へ伸ばしては、少し手荒なくらいの力加減で掴んで顔を上にあげさせる。漸く俺を映した瞳には先程よりも恐怖の色が濃く浮かんでいた。「俺、この後レオナさんに呼ばれてるんで、やるならさっさとやってくれないと。」アンタも授業に贈れちゃうッスよ。なんて脅し文句の様に付け足しながら覚悟を決めろと促せば、監督生はふらふら左右に視線を彷徨わせた後にそっと瞼を下ろす。眉間の皺は一層寄り、鳥の羽よりも薄い息を音もなく漏らすその姿に思わず唾を飲み。どれだけ金を積んでも見ることの能わないものが今この手にある歓喜。く、と吊り上がった口端も厭わず、牙をむく本能も抑えぬままに後頭部へ右手を滑らせ逃げ道を塞ぐと、震えるその唇に容赦なく噛み付いた。頬に落ちた睫毛の影がふるりと揺れる、その様を薄目でじっくりと見つめながら思うままに口内を蹂躙する。好いた男の為ならば心底嫌う男とも口付けを交わすとは、なんと哀れな人間だろう。全てを切り裂く爪さえあれば、全てを噛み砕く牙さえあれば、こんなことをせずに済んだのにね。)
好きな子をいじめちゃう極悪ならぎぶち
全体的にクオリティが低いけど推敲する元気ないのでこれで
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