碧棺左馬刻 2019-11-14 07:21:36 |
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(刻々と時計の針が秒針を刻むのを後目にやっと聞こえたノックの音と同時に煙草の灰が地面へと零れていく。近くにいる部下へと無言で目線を配ると開かれた扉から昨日と同じ顔が覗きそのまま中へと招き入れさせると、そのまま部下達はその部屋をあとにした。大抵他人をまねきいれる際は何人かを残すようにはしていたのだがどうにも臆病な仮猫は人に囲まれると口を紡ぎそうだと人払いをしておいたのだ、「まぁ…ここ迄逃げずに来たことは褒めてやるよ。帰る頃には歩く足ぐらい残ってればいいな、」と不敵な笑みを一つ。からかい半分のこの冗談も己からすれば場を和ませる軽い気持ちからだがどうにも相手はその手の冗談どう捉えるのか、そんなことなど微塵も考えずに手にした煙草をそのまま手前のソファーへと身を預けると座れと目で指し示す。何でもしますと言ったのだ少し遊ぶくらいどうもないと、横暴な王様は気だるそうに口を開く「まず名前教えろ、俺様を知らねぇってんだ今までとんだ甘ったるい世間で生きてきたんだろうが…此処に足踏み入れたらもうてめぇは五体満足で帰れねぇだろうよ、」と、さも当たり前にそう投げかけるとタールの強い香りをその面へと吹き掛け赤い瞳を鈍く光らせた。)
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