KING 2019-11-06 18:04:10 |
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【カリス・エヴァンス/娯楽室前】
「そこをなんとか!」
彼女の口から現実的な言葉が零れると、両手をパンと合わせて顔の前に出して懇願するような仕草をしてみせた。そんなことをした所で無意味だということは頭では分かっている。自分の失敗をなかったことにするためには、目撃者に協力を願うしか道はない。
「……それでも悼む気持ちは必要だと僕は思うから」
足元が疎かになったのは事実だが、振り向きざまの躓きなのだから、考え事とかそういう次元の話でもない気がすると思いつつも、彼女の言葉は至極当たり前でもっともなことなので反論できない。犯罪者が見つかり捕まらない限りは同じようなことが近いうちに起きるのは必至。その度に引き摺るつもりは毛頭ないが、やっぱり人の命の灯火が掻き消えることを事務的な感覚で捉えていたくない。偽善かもしれない。エゴかもしれない。それでも、とカリスはそう伝えた。
「あ、そうだね。フィーは僕と一緒でいいの?」
食堂へと促す彼女の言葉に本来の目的を思い出す。そして一緒に、と告げる彼女に目を丸くして尋ねた。身分を偽っている立場上、他の訓練生から変な奴扱いをされつつあることを自覚しているカリスは、自分と一緒にいることで彼女まで悪く言われはしないかという心配からこの問いかけが口から出たのであった。
>フィー
(/そうですね。ドッペルでなければ絡み文は好きに出してもらって大丈夫です)
(/やってしまいました……。)
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