ミステリー同好会

…え、何？何なの…？
（急な呼び声にただ事ではないことを感じ、戸惑いながらも階上の踊り場に向けて歩を進めて）
ひぅっ！……こ…この女の人…もしかして……
（椅子にもたれて動かぬブロンドヘアの女性を目の当たりにし、百原光の蒼白な顔から如何なる状態であるかを悟り、声を上げることもできず息を呑み言葉が続かず）

どうかしました？ってこれって・・・。
(百原の声が聞こえノロノロと歩きながら階段の踊り場に来ると同時にブロンドヘアの女性の死体を発見しあまりの衝撃に次の言葉が出せずにいて)

（/ありがとうございます。）

…どうしたんですー？幽霊ー？
（二人の声に驚き一瞬体を震わせたら何事かと思いつつも呑気にそんなことを言いながら彼らの方に近づくと途中で椅子に座った見知らぬ人物を見付けて焦りで額には汗が噴き出して顳?をつたわり顎から床に溢れ落ちた。自分の確認不足で廃墟かと思っていたが不法侵入のような事になって訴えられでもしたら自分の人生が詰むからである。気が遠くなり上手く体が動かせないがぎこちない歩みで階段を登っていくと何やら異様な雰囲気に圧倒され言葉をつまらせて）

あるいは何かしら意図があって管理されているのか。日々のお食事はどうされているのでしょうね。もうお一人のあなたのお名前を教えて下さい
(片手の人差し指と中指を人中に当て考え込むように首を傾げ。しかし前もってミステリーファンが集まる事を把握しているのならば主催者は何か知っているのではないか、浮かぶ疑問を一旦隅に置き新たに聞こえた大人の色香を漂わせる声音の持ち主へ顔を向け)
お帰りなさい、お疲れ様でした。───何かありましたか？
(戻ってくる足音と賑やかな声が耳に届けば軽く会釈。ところがただならぬ様子に急変した空気を察し、杖を頼りに階段側へ向かい一人置き去りにされたように尋ね)

ああ、私は──って、今度は一体どうしたって言うのよ？(少女に名を問われ答えようとしたものの、百原の皆を呼ぶ声に反応しそちらへ向かえば女性の姿が目に入り)

ちょっと、退いてちょうだい。(硬直する面々を押し退けるように前へ出ると女性へと近付き、その生死を確認するように頸動脈に指を当て)

歌夜りん…人が……金髪の…外国人ぽい女の人が……
（東雲櫻子が前へ出てから、踊り場を降り天古歌夜におののく体を当てれば震える声で囁き）

(少女の慄く声で与り知った非常事態に一瞬の頭痛が生じ唇を結び。片手で彼女の手を探り当て柔く握ると暫しの間感情の揺れに寄り添い。死亡確認をしてくれている誰かの背に向かって落ち着いた声が詳細を知るべしと脳内で囁かれるがまま声で表して)
お手数ですがご遺体の特徴や様子を教えていただけますか、可能な限り詳しく。ありさちゃん、辛ければ椅子に座っていて下さって大丈夫です

───残念ながら、亡くなってるわ。

頚部圧迫の痕跡は無し…だとすると、薬物による毒殺の線が濃いけど……ああ、憶測はダメね。
詳しい死因は解剖をしてみないと分からないわ。それと、死後硬直の度合いから見て、亡くなって三時間以上は経過してる。(脈拍が確認できないと分かれば、平然とした様子で死因を探るように遺体の状態を確認し始め)

ブロンドの女性、年齢は20代後半から30代前半ってところかしら。服装はこの寒い季節に薄手のワンピース１枚。周囲に争った形跡も目立った外傷も見られない。死因についてはさっきも言ったけど、解剖してみないと詳しくは分からないわ。
大体こんな感じだけど、大丈夫かしら？他に聞きたいことはある？(現状を知りたいと言う盲目の少女に対し、自分が確認した限りの情報を知らせ)

……すごいな……。東雲さんだったね｡探偵みたいだ。
（淡々と確認している東雲の姿に感心したようで、非現実的な出来事に少しのおののきがありながらも賞賛の言葉を送る｡また､怖がっている三条に気づき、その前に立つようにして自身の体で視界をさえぎり）

あ……そうだ､通報しなければ！
（自分の革鞄からスマートフォンを取り出す。手の震えを誤魔化しながら操作するが、電波が届いていないことに気づき汗が頬を伝って）

フーッ。・・・殺人の可能性を考えないといけない、ってわけですか。
(自分を落ち着かせるように息を大きく吐くととりあえず辺りを見回して)

ありがとうございます、説明も大変お上手ですね。毒殺であれば…効き目の表れ方によっても異なるのでしょうが苦悶が表情に残るかと。季節外れの服装に身元不明のブロンド女性。──成る程
(しっかりと相槌を挟みつつ脳内でイメージを組み立て、現時点で分かっている情報を見えない付箋に書き込むように反芻。冷静な知識人がいることで全員がパニックに陥るという最悪な事態は避けられた、死後からさほど時間が経過していない見込みだがブロンド女性は館の関係者なのだろうか)
電波も届かない…ですか。硬直後はご遺体が緩んでいきますし一旦は適切なお部屋になど運ぶのはどうでしょう？警察との連絡手段は私も一緒に考えます
(若い男性の一声で表情を曇らせるも優先すべき事項を提案。握ったままの三条の手はそのままに彼に顔を向け頷き)

ふう…探偵なら良かったんだけどね。
私は、仕事柄ご遺体に対面することが多いから手慣れてるってだけよ。(賞賛の言葉にこの場に居合わせたのがたまたま自分であっただけだと軽く肩を竦めて見せ)

いいえ、大したことないわ。
そうね、大抵の毒物は何らかの痕跡が残るけど…このご遺体は綺麗なまま、なのよね。まあ、死因の特定等はさておき、ご遺体を移動させるなら現場の写真を何枚か撮っておかないとね。
世名城くん…だったわね。確か、カメラ持ってたでしょ？ 貸してもらえるかしら？(天古の発言に同意しつつ、視線を世名城へと移動させ先程まで心霊写真云々と騒いでいた筈だと思い出してそう問いかけ)

あ、はい！はい…,どうぞ…
（ボーッとして直立不動であったが名前を呼ばれハッとしたように素っ頓狂な声を発しては慌てたように鞄をゴソゴソ掻き分けてカメラを取り出すと東雲に差し出し）ミステリなら面白い展開だけどなぁ…ポアロかシャーロックか金田一がいたら絶対良いのに…（落ち着かない様子で不自然に視線を上下左右に泳がせて指先は忙しなく絡ませたり揉んだり叩き合わせたりと置場所を見失っていて瞬きも多くなっていて明らかにストレスを感じているようだ。震える声帯を本能的に脳髄は現実逃避しようと働かせては不謹慎にも思えるが己の好きな架空の探偵の名を連ねて）

あっ、そうだそうだ。
(ふと思い付いたように背負っていたリュックを置きゴソゴソと中の物を見始める。取り出したのはゴム手袋とマスク。テキパキとそれらを身に付けるとブロンド女性に近づき彼女のワンピースの中など何かをしまえそうな場所を徹底的にあさり始め)

え、ちょっと何してんの？てか、あんま素人が死体に触ったり動かしたら捜査の撹乱になるんじゃ…、
（最初の衝撃から少し時間がたてば心は本来の落ち着きを取り戻して挙動不審もゆるやかに収まってきていたが海堂の行動に目を見開き口は力が抜け大きく開き唇は細かな振動を止めないが上の言葉を発した。先程から何人かがが死体に触れている事に気付いては自分等が集団殺人犯として逮捕されるという最悪な想像をすれば息を飲みそれを振り払おうと頭皮を両手の爪で掻き散らした後目を瞑り深く呼吸をして）こういうときは何もせずに離れるのが良いんじゃないかな…（皆の姿を一人一人見回しながらそう言えば階段を降り死体から距離を置いて）

死体を確認したらまず何か持ち物を持っていないか確認すべし。身元が分かる物などは早めに見つけておいた方が後々便利ですしもし時間が経ってしまえば犯人に繋がる証拠が持ち出される可能性もあります。って、先生の受け売りなんですけどね。
(世名城の言葉をよそにせっせと女性の持ち物がないかを確認し、「うーん、ないなぁ。」と腕組みしながら顔を少ししかめて)

何の為にキミからカメラを借りたと思っているの？
現場写真は撮ったから、動かしても大丈夫よ。それに、彼は指紋が残らないように手袋もちゃんとしてるわ。(動かされる前の状態を収めた写真を既に撮り終えていたので、海堂が遺体を検分しても問題ないと口にし)

まあ、小説やドラマの中ならいざ知らず一般人がこんな場面に出会すなんてまずないもの。取り乱すのも分かるけどね。(世名城の様子を一瞥すれば、遺体を前にしていくら慣れているとはいえ平然としている自分が何処か可笑しいのではないかと苦笑を漏らし)

「正気か！？警察いらずだなこりゃ…流石ミステリー好きだよ…まるで探偵気取りだ。まあ僕も好きなんだけどね。あなた方は検視官かなんかですか？それとも医者？刑事？はたまた名探偵か？もう好きにしておくれよ,僕は責任を取らないからな」（死体を見ても動揺せず躊躇なく触りまくり現場を発見時の状態と違うように動かす様に気が遠くなるようで思わずそう問い質せば自分が何をいっても駄目だと言うことを察して無意味に皮肉混じりな言葉を長々と小さく呟いてはなんだか腹の奥底から笑いが沸々と込み上げてきて仕方なくなり気抜けて力のない笑いを口から溢した。この際どうでも良いように思えてきて上を見上げては高い天井に豪華なシャンデリアがついていて暖かな色味の照明がなんともこの状況に不釣り合いでおかしくて堪らないのだ。段々とぼやけて曖昧になる光が八方に伸びてきてゆっくりと目を閉じ下を向いた。何かを決心したのか又はプライドを捨てたのか今度は先程とは真逆に死体のある方に戻って「僕も手伝うよ。」と感情の無い声色でそう海堂に伝えると「手袋もういっこない？」と積極的に続けて）

皆すごいな……。俺はまだ今の状況が信じられないよ。
（皆がてきぱきと行動している中、その状況に入っていけず、その誰にも聞こえないようにポツリと呟き）

この状況、俺が第一発見者ってことになるね。一番怪しい立場じゃないか。あ､もちろん犯人じゃないが……。
（言っている途中、自らが歩いてここにきた、と自称していたことに気づいて冷や汗を垂らす。明らかに一番容疑者に近い立場だったからだ｡誤魔化すように言葉を続けるが、どこかきまり悪げで）

死亡推定時刻から考えて先ずあなたが犯人だとは誰も断言しませんよ、大丈夫です。彼女は見つからなければ独り朽ちていくばかりだったのですから…彼女自身がそれを望んだ可能性も否めませんけれど
(即興探偵団によるガサ入れの場から離れ、視力の代わりに発達した聴力がバツの悪い独り言を捉え側に歩み寄り。精巧な蝋人形のように睫毛さえ動かさない女性は不気味であり、また神秘的にうつるかもしれない。運悪く第一発見者となってしまった青年の懸念をそっと払い)

……ああ､ありがとう。かよさん？だったかな。とても心強いよ。すまない､名前は漏れ聞こえただけだから間違っていたら言ってくれ。
やれやれ、こんなにいたいけなお嬢さんにまで気を遣わせるなんて､俺としたことが。
（少女めいた風貌の天古に、見えないとわかっていながらも苦笑する。少女の言葉に安心したのも事実であり、少女に慰められる自分を情けなく思ったのもまた事実。少し落ち込みながらも､感謝の意を伝えるため、少女と思っている天古の頭をぽんぽんと軽く叩き）

そう言えば、百原さんってこの邸の雰囲気に似合いますよね。その執事みたいな服装とか。
（百原の誤魔化すような言葉は怪しげに感じられ少し違和感を覚えた。百原の方を振り向きジーッと見つめると何か意味ありげに笑いながら上記の言葉を投げ掛けては己が事件の核心に迫り犯人を追い詰める探偵のように思いこめて推理小説のようなこの状況に悦に浸っている。世名城にとって燕尾服は執事のイメージが強く紳士的な振る舞いもこの邸の住人であるかのように感じていて）

……
（先の天古歌夜の慰めで少し心を落ち着け、椅子にという言葉にうん…と小さく返して一人椅子に座り静かに皆の様子を眺めて）

……演出は大事だと思ったからね。ミステリには怪しい人物がつきものだろう？せっかくなら、演じてみるのも悪くないと思ったんだ。
学校公演が中心の劇団ではあるんだが、俺は一応プロの役者をしていてね。それなりに舞台にはこだわりたかったんだよ。燕尾服は衣装だ。まさか､本当にこんなことが起きるなんて思わなかったけどね……。
（世名城の言葉に､まあ､自分が一番怪しいだろうと推測しながらもそう説明する。ネタバラシをしているようなものだから､あまり言いたくはなかったんだが､と頬をかき）

ふーん、なんーだそうだったんだ…。まあ良いや。（自分の推理は外れてたようで少し肩を落として静かにため息をつき勝手に落胆すればまた勝手に納得して死体の顔から足先までをじっくりと見ては黙りこくり頬に手を当てて首をかしげる。「そう言えば海堂君。犯人に繋がる証拠を持ち出される可能性もあると言ってたけど僕らの中にそんなことをするやつがいると見ているの？最初にこの女性の亡骸に手を出して体を探ったのは君じゃないかな。君なら隙を見て犯人に繋がる証拠とやらを持ち出せるのでは？普通なら遺体は発見当時のままを保存しとくべきだと思うんだけど。僕は君を信用して良いのかい？」唐突にまた世名城の探偵気取りが始まり今回の疑いの矢は海堂に射って放たれ質問責めする。素人が言うことだから戯れ言に過ぎないのだがワクワクしているようで目を細め白く光を反射する綺麗な歯を覗かせた得意気な笑顔が癪に障るかもしれない。海堂の一挙一動に期待を寄せるように見つめていて）

あー、なるほど。そういう見方もありますね。確かに僕なら証拠を持ち出そうと思えば持ち出せますし。（世名城の意見に納得したように頷く。が、すぐに「でもそれなら何故皆さんの目の前で死体に触るのです？疑われる可能性が高まるのに。」とすぐ後ろに続けて）犯人というのは自らが疑われる状況を例外を除いて作らないものだ、と先生もおっしゃってました。（「それでも僕が犯人である、という仮説は捨てきれませんが。」とすまし顔で言って）

ええ、仰る通りで間違いありません。お名前は百原さんなのですね。今更ながら把握しました。役者さんとはまた素晴らしい才能をお持ちで
(一日前の嬉しい出来事を思い浮かべたような微笑で応え、また一人名前を記憶して頷き。いたいけなお嬢さんという表現にただいつもの通りの笑みが口元を弓形にするばかり。少年探偵の詰問に耳を傾け両者の様子を観察、最後に褒め言葉を加え)
それと海堂さんに…名探偵さんのお名前は何かしら。ご遺体を調べた方ともう一人いらっしゃると思うのだけど
(次の尋問のターゲットの怯えていた時とは違う口達者ぶり、少年の名探偵ぶりに関心しながら拝聴。三条の様子をも気にしつつ展開される場面を耳で見守り)

「確かに！でも、犯人がいつも消極的な行動ばかりとは限らない。堂々と検視すると言って死体に触ってしまえば逆に疑われ無くなる。それに皆の前で触るしかなかったって場合も。疑われる可能性が高くなる行動を自らしたからってそれが犯人でないと言いきるには不十分だと思うよ。手袋とマスクをオフ会に持ってくるなんてなんとも用意周到な気がするし。ま、この場でお互いを信用することはできないし疑い合うのは不毛な議論だと思うけど。」
（海堂の答えに頷き相槌をいれつつ感心しながらじっくりと聞き終えると満面の笑顔で相手の意見に納得いったかのようだが反対の意見も並べ終えると総括として疑い合うのはやめようといった主旨の事を述べた後「ごめんね、」と小声で申し訳程度に付け足し掌を合わせて口の前に寄せて軽くおじぎをした。すると天古の声が聞こえてそちらを向けば"名探偵"なんて少し褒めてるようで馬鹿にしているように感じ取れる物言いに思わず笑いが吹き出して口を抑えた。「僕？僕はよなしろよしひこ。あなたは？」目の端から溢れる少量の笑い涙を指の背で拭き取りつつ微笑しながらそう言うと彼女の名前を聞いて）

──(海堂と世名城のやり取りを横目に黙って階段を下り、胸の前で腕を組むと何かを思案するように視線を中空に向け)

世名城さん、私はテンコカヨです。大変楽しそうなところで申し訳ありませんがこの集いの主催者はあなたですか？いえ、少なくともこの土地周辺に一番詳しいのはあなたかと思ったからなの。警察を呼ぶにも右も左も分からないでは大変でしょう
(同じく微笑をたたえた唇から名前を告げ、笑う理由がさっぱり解らないようで小首を傾げたまま知りたい事柄を率直に尋ね。この場の全員が容疑者となるだけに留まらず、部外者の関与の可能性も考慮して正確な情報及びアリバイもまた重要となるとの考えから各人に念を押すような雰囲気を向け)
この場はお任せします。あの子、それから…今階段を降りた女性にも。もうそろそろ彼女に目隠しをしてあげたいわ
(軽く会釈すると三条と東雲の二名について託した後、遺体の人権保護を目的としてシーツ類を探そうと階段の手すりに手をかけて)

やっぱり警察に連絡するしかないよ！私行ってくる！
（経験の無い人の死に遭って自失していたが、時の経過により意識を取り戻し、携帯端末が使えないならば自ら動くべしと思い至り玄関扉へと駆けて手をかける…が）
あれ、何なのこれ！？ドアが…開かないよ！
（扉が微動だにせず、押しても叩いても鈍い音が響くばかり。すぐに周りを見渡すが先の闇が示すように外へと通じる窓も無く、邸に閉じ込められた？という不安と焦りが生じ）

開かない……？そんな馬鹿な！
（三条の元へ駆け寄り、自分も同じく押したり引いたりと言った行動を繰り返す。成人男性の力でも開かないことを確認し､新たな可能性に思い至る。何だかんだミステリ好きの一人であるために、それは犯人を見つけ出そうと思考するようなもので）

……外部に、俺たちを閉じ込めた犯人がいるのか……｡それとも､今ここにいるだれかが、何らかの目的で扉に仕掛けを施し、俺たちを閉じ込めたか。
建物が老朽化して､単純に扉が壊れたか。この三つの可能性がありそうだ……。
（どの可能性も恐ろしいなと呟く。自身も青い顔をしつつ､隣で怖がっている少女に気づき、なんとか表情を取り繕う。三条に視線を向け、手は怪我していないかい、と聞き）

(無防備な扉、通じたままの電気、用意された椅子、遺体…そして外界との繋がりの途絶え。いかにも本格ミステリを読み漁りヒントを得でもしたかの如き場面展開に不安は増大、先程と同じ頭痛に見舞われ唇を噛み。これでは全員が全員を疑い望まぬ二次災害が発生するのではないか。怖れが現実になる前に打てる手はないのか。眉根を寄せ遺体が座る椅子の背もたれに触れた筈が当の遺体が忽然と消えているのを知り両手で口元を抑え)
ありません、消えました…彼女が、姿を消しました

──何なのよ、次から次へと…こんな所に閉じ込められた上に外部との連絡手段も絶たれて、たった今までそこにあった筈のご遺体までが消えるだなんて。(先程までの冷静さから一転、次々と起こる不可解な出来事を前にして苛立たしげに髪を掻き上げ)

うん…ありがとう光さん…私達どうしたら……もしあの人が本当に殺されたんだとしたら…犯人が…
（自分を心配してくれる百原光に返事をし、扉の可能性を合わせて邸に人殺しがいることを考え恐ろしさを覚えたところで、追い討ちをかけられるように天古歌夜によって告げられた新たな事態を耳にして）
消えた？彼女が？…ウソ…
（死体が消えるなんてそんなのありえないと思い、咄嗟に踊り場に目を向けようとするが抵抗があったため背けて、信じられないが疑うわけではないため受け入れるしかなく、把握が追い付かず両手で頭を挟みわけわかんないよと呟き）

(階段の踊り場に背を向け三条、百原、東雲の三名がいる位置へと移動。東雲と百原の肩を宥めようとでもするかのような柔らかさで軽く触れ、次に頭を抱える三条の背中を黙したまま摩り)
これで終わるだろうとは皆さんも考えてはいらっしゃらないかと思います。誰一人として欠かさず無事解放される為には、皆さんの力添えが必要です。もはや私達は見知らぬ赤の他人ではありません
(少女を摩る手を止め顔を上げ。心痛とも懇願とも見て取れる表情はたとえ双眸が閉じられたままでも顔全体から語りかけ、はらりと落ちる髪を片手で抑え)

(／返信が遅くなり申し訳ありませんでした。)
確かにこの状況、協力しなければ打破できる訳がありません。僕からもお願いします！
(天古の言葉に賛同したように頷き、皆の方に向き直ると頭を深々と下げながら今までに発したことがないような真面目な口調で)

──ッ！！(少女の柔らかな手に触れられた瞬間、ビクリと肩を震わせるが、やがて自らを落ち着かせるように大きく息を吐き出すと毅然と顔を上げ)

そうね。このままでは、また新たな被害者が出ないとも限らない…だったら、互いに協力し合うに越したことはないわ。
といっても、私に出来ることは限られているけれどね。

うん……そうだね！みんなで力を合わせて。
（撫でられた背中を振り向くように天古歌夜の姿を見、それから居合わせた皆を見て）
えっと、じゃあ最初は皆で邸を探索する…とか？お水とゆっくりできる所が欲しいな～。
（勇気と安心が生まれると今の思いを素直に表し）

水……か。電気も通じているようだし､水道がまだ機能していてもおかしくないね｡
俺は賛成かな。もしかすると、電波の通じる場所があるかもしれないし｡俺にできることなら、どんなことでもするつもりだ。
（一致団結のムードに便乗するように､若干のこわばりは見られるものの微笑んでみせる。この中では年長者の類いであるという自覚もあり、三条の言葉に賛意を示し）

…ありがとうございます。三人で文殊ならばこの人数で文殊以上になります、皆さんが皆さんで良かった
(真摯な声や落ち着いた声を聞いて肩の荷が少し軽くなったのを感じ安堵がうまれ。掲示板を挟んでの繋がりでは見えなかった人柄を知ることを今こそ最大限に喜ばしく思い、先に行くようにと手で勧め)
この規模ですから食堂も然りで客室も立派なのでしょうね。寝相が悪い方も安心なのでは？
(二階に向かい手摺を頼りに進む間も冗談を口にできる程度の心の余裕を持ち、ベッドから転落する誰かの姿を想像してしまい口元が緩み)

それはありがたいお知らせだな。俺はどうも毛布を蹴っ飛ばしてしまうタチらしくてね。
（天古の冗談にいくらか心のゆとりが生じ、ジョークで返す。あながち間違いでもない情報だが、場の雰囲気を和やかにするにはいいかもしれないと思い）

ふーむ､しかし､本当に綺麗だな。とても放っておかれた屋敷には見えないね……。
（くるくると辺りを見渡すが、埃ひとつ落ちていないことを再度確認し）

──それにしても、この邸の以前の持ち主はとても趣味が良いわね。邸の外観も然る事乍ら、内装まで拘ってるようだし。一体、どんな人だったのかしらね。(邸に入る前に見た中世の古城を彷彿とさせる外観と室内に置かれた調度品の数々に、邸の主の強い拘りのようなものを感じてそう呟き)

>83

いや、僕はただの参加者だよ。掲示板にオフ会日程と場所が指定されてたから来たってわけ。（天古の問いに首と手を横にふったあとその日の事を脳内で思い起こしてはそう説明し終えると皆同じだろう、何か変なこと言ってるかと疑問を抱き首をかしげて）
この土地にはそんな詳しくないな。あ…でもこの近くの山って有名な所でしょ？行方不明事件があって都市伝説界隈では神隠しだとか宇宙人が地球観測地点にしてるとか言って。ここにこんな建物があるなんて流石の僕でも知らなかったよ（あいにくこの土地には全く詳しくないということを正直に話すがオカルト通としての知識をひけらかすのが好きなようで自分の知ってることは全て話し、時に噂を交えて面白そうに話した。そのあとに目をつむりこの場所を見つけた人に感心しつつも自分が最初に見つけたかったという悔しさも含めた声と表情で言って）

あっ、そうだ。皆さんどうです？チョコレート。
(ふと思い出したようにリュックの中を探り始めると取り出したのは板チョコ。1ダースほどある新品のチョコレートをリュックから次々と取り出すと皆に見せ)

ん……？世名城君じゃないのか？
ちょっと待てよ。じゃあ､今日集まろうと言い出したのは、この中の誰なんだ……？
（ほとんど一人言に近い疑問を口にし､小さく嘆息する。しばらくして､無邪気に見える海堂の差し出したチョコレートを一瞥して）

すまない､俺にもひとつくれないか。少し糖分がほしい。
（海堂の差し出したチョコレートを指差し）

（/今まで、主催者ってつもりでやってましたけどこっちの方が面白いかなって思って独断でそうしました。なので矛盾点がありますが無かったことにしてもらえますか。申し訳ないけどご協力おねがいします。）

（/了解です。……ひとつ質問なのですが、このあとnpcではないキャラで犠牲者が出る展開はアリですか？また､犯人は立候補制なのか､それとも皆で作るという方向ですか？）

──あら、その言い方だと貴方も主催者ではないようね？(百原の呟きが聴こえればこういう時、主催者はゲストよりも先に来ているものだという思い込みから、てっきり世名城か百原のうちどちらかが主催者なのではないかと予想していたが、勘がハズレたか。と肩を竦め)

そのリュック、そんなに何を入れているかと思っていたけれど…まるで、魔法の鞄みたいね。(取り出されたチョコレートの多さにクスッと笑いが漏れ)

主催者の方では無かったのですか。あらまぁ、あらあらそれはまぁ。ミステリとしては興味深い展開なのでしょうがはたして私達にとっては…世名城さん教えていただいてありがとう
(驚く老嬢よろしく口元に手を添え感嘆詞を繰り返し。噂話が真実だとするとこの邸以外にも誰かが何かを意図的に世間から隠し続けられる条件が揃っていることになる、但し女性の遺体その他を演出の道具に使用した人物と他殺だと仮定した場合の犯人が同一人物である確信を持つ条件は揃わず推測するに留め。ゆったり首振り軽く少年の手を握り感謝を伝え)
海堂さんはチョコレート工場のオーナーでしょうか、では一枚の四分の一を頂きますね。残りの四分の三はとっておいて下さると嬉しいわ
(包み紙が擦れる音に振り返ると恭しく頭下げ。ありがたい食料のアテに少々の配慮を混ぜてそう願い出て)

(/>100の件承知です！)

『皆様お元気でしょうか、先日の事件では御世話になりました。邸での数日間は今でも別の世界に入っていた出来事のように感じています。記憶が曖昧なところもあり、あったことを友達に話すのもひと苦労でした。今度またお会いする機会があるならもっと穏やかな時間を共にできたらなって思います。失礼いたします。皆様ありがとうございました。』