とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
あ、ごめんね。女性に対して流石に失礼だったかな…。
( 言動を咎められ、一瞬きょとんと目を丸めるも、すぐに慌てて訂正を。既に四年近く人の身を与えられて生きているというのに、今しがたの言葉は気遣いが足りなさすぎたか。彼女の近侍として生活し、面倒を見、たまには叱り。そんな毎日を繰り返す内、彼女と最も近い距離にいるのは己だと錯覚してしまう。今朝は否定していたが、世の女審神者のように、他の刀に懸想していたとて何らおかしくない。その事を考えると背中が粟立つような感覚に襲われ、知らずの内に寄っていた眉間の皺を解し。一度考え始めると、差し掛かる黒い靄は中々どうして消えない。どうしたものか、溜息が口から溢れかけたところで、聞こえるのは彼女の鈴の声。名を呼ばれただけですっと気が晴れ、自然と頬が緩む。器へと注がれた視線を此方へ向けるため、頬に手を添えて瞳を覗き。)
───なあに、あるじ。
霖:
うん。………嫌じゃなければ、膝丸のお布団がいいな。貴方の匂い、落ち着くの。
( 呆れたような確認に少し肩を竦め。男性に迫られた際、もっと可愛らしく恥じらい拒むような清廉な女性が好みなのだろうか。無論、相手が彼でなければ此方も拒んではいたのだが。訂正の前に話を切り上げられ、一つ控えめに頷き。彼と共寝、その言葉に未だ赤く染まったままの顔を俯け、嬉しさ半分恥じらい半分で身じろぎを。少しの沈黙の後、僅かに顔を上げると、先程の懸念を頭に置きながらも首を傾げて強請り。ふしだらに思われたくはないが、矢張り幼い頃を思い出して気が抜けるのは事実。きっとその精悍な腕で抱き締められでもすれば、こよなく幸せなのだろう。最早妄想の域に達していると気付けば、ふるふると小さく頭を振り。)
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