とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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→ 日和
そ、それは大丈夫!寧ろ起こしてくれて助かったというか、その……ありがとう。
( 寝落ちて時間を無駄に過ごした事に対し息を吐いたも、襖を開けて盆を片手に室内へ入室した彼を無意識に視線で追い掛け。隣へ腰を据えた様子に一つ瞬きを。その後、伸びて来た手が髪に触れると、元より昼寝を誤魔化せる気はしていなかったが、髪の乱れを自然に直された事に恥ずかしそうに笑み。結局業務も進んでいないし、もっと眠気に抗えば良かった。なんて内心で後悔しながら、腰を上げた彼の手を咄嗟に掴むと首を左右に振り。少し睡眠を得た事で前より頭がすっきりしているのは確かで、これ以上休む必要はない。だが直ぐに作業開始する事を彼は良しとしない筈。瞬時にそう思案して卓上の盆へ一度視線を向けては、再び腰掛ける様にと掴んだままの手を引き )
えっと…ほら、取り敢えず座って。一緒に休憩しよう?
→ 膝丸
──ああ、勿論だ。俺ももっと君と話をしたい。次は茶菓子でも用意しておこう。
( 話題転換は成功したらしい。思い出した様に身なりを整えながら立ち上がった彼女を見上げ、鍛刀場へと向かい始める姿を見送ろうとするも、くるりと方向を変えた彼女が此方へ向かって来ると僅かに首を傾け。何か忘れ物だろうかと思案した直後、目元に垂れている髪を避けて愛らしい表情を見せた彼女に薄く瞳孔を開き。変わらない筈の視界が何処か開けた様に感じるのは、髪を避けられたからだろうか。先程から続く高揚するような不思議な気持ちを頭の中で振り払いながら、目前の綺麗な漆黒色の瞳を見詰めて柔く表情を崩し )
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