とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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→ 日和
…お茶だけ、でいいかな。
( 執務室を出て厨に着くなり、茶を用意しながらふと小首を傾げて呟きを。普段の調子で休憩には茶と茶菓子をと思ったが、夕餉も近いし茶菓子は不要だろう。盆に二人分の茶器と急須を乗せて一つ頷き、ゆったりとした足取りで執務室へと歩みを進め。辿り着いた部屋の前で盆を抱え直して襖をそっと開けば、集中している彼の邪魔にならないよう静かに入室し。卓の上に盆を置いて腰を下ろしては、湯呑みに茶を注いで準備を終え、彼の仕事はもう少しだろうかと手元の書類をちらりと見やり。しかし、あまり見過ぎては気が散るかと視線を室内に投げて待ち )
→ 膝丸
いや、──俺は君を隠したいわけではないのだ。
( 首筋を辿る指の動きにすっと目を細め、先程痕を残した箇所へと軽い音を立てて口付ける彼女に薄く口角を持ち上げ。己の為に告げられる言葉に愛しさを募らせながら、その問い掛けには首を振る。彼女を隠してしまいたいという気持ちが少しも無いとは言い切れないが、完全に縛り付けるつもりはない。この本丸の主人を己の私情で奪ってしまうわけにはいかないだろう。それに何より、寂しくなるからなどという理由で彼女の成長を阻みたいとは思っていない。高い位置で結われた髪にするり、と指を通しながら優しく梳き、華奢な肩に顎を乗せ )
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