とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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→ 日和
へ、──っか、かせん…?
( 当然の如く彼に誤魔化しは効かなかったようで、淡々と返された言葉には間の抜けた声を漏らし。切り抜ける手を考え始める前に腕を引かれては、抵抗も忘れて戸惑った声色で呆けたように名を呼び。気付けば彼の自室へと押し込まれ、逃げ道は彼の背に塞がれてしまい。向かい合う視線と対峙して漸く状況を飲み込むと、何故こうなっているのかと鈍い頭に思考を巡らせ、ぎこちなく苦笑を浮かべる。確かに下手な言い訳を並べた自覚はあるが、こうも強引な手に出られるとは思わなかった。止まっていた足を地味に動かし、彼の横へと移動しながら襖を指差し )
えーっと…何だったかな、忘れちゃった。また思い出したら来る、から……そこ、退いて欲しいなぁ。
→ 髭切
うーん、嫌だとは思わないかなあ。
( 弟の事を考えては込み上げる熱を冷まそうと頬を揉んだり、手で風を送ったりと何処か忙しない主人を穏やかに見守り。申し訳なさそうに問われた事には視線を上に投げつつ返答を。主人と臣下ではあるが、己にしてみれば二人共弟妹のような存在なのだ。彼女らが恋仲となって微笑ましくはあれど、嫌な気持ちになる事はない。そもそも大抵の事はどうでも良くなっているし、人の色恋にあれやこれや文句を言うつもりもなく。流れゆく雲を追っていた視線をゆっくりと彼女へ戻し、身体を軽く傾けながら両手を後方につけ )
君達がちゃんと想い合っての事なら、何だって構わないさ。
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