とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
…確かに、癖になりそうだけど───…。君、他の子にもこうして甘えさせてるの?
( 無用な憂慮を続ける主人の声を他所に、腕の中の肢体の温もりに浸り。此方に身体を向け直してくれたお陰でより抱き締めやすく、瞼を下ろして心地良さを享受し。体格差から少々体勢が辛くはあるが、彼女からも甘く抱き締めてくれるためそう密着する必要もない。髪を撫でる優しい手付きも、落とされる口付けも、堪らなく愛しく落ち着く。しかし何所か感じる蟠りに身を捩り、甘露のような言葉に耐えきれず顔を上げ、背を丸めたまま彼女を見上げて。不安を口にしてから、些か声色が分かりやすく拗ね過ぎていると自戒を。居た堪れずすぐに顔を伏せ、勘付かれないよう溜息を。)
霖:
悩み…?…あ、えっとね。昨日は───、
( いつも聞いている、そう聞いていの一番に想像してしまったのが惚気話なせいで、不要に顔に熱が滲むのが分かってしまい。誤魔化すために今しがた注いだ茶に口を付け、同時に心を落ち着け。彼が兄に対しそんな話をするわけもないというのに、既に恋仲気取りであらぬ妄想をしてしまった。こほん、小さく咳払いをして加えられた問いに耳を傾け、思わず不思議そうに復唱を。昨日といえば勿論想いが通じ合った日だが、自身は一日中嬉しさに胸を温めていたのみ。彼は何かに悩んでいたのだろうか、少しばかり不安げに眉を下げ、どう答えようかと思案し。勝手に兄に伝えても良いものだろうか。せめて彼の動向は暈すべきか。小さく瞳を細めると、照れ臭そうにはにかみ。)
私が、ね。小さい頃からずーっと好きだったよ、って言っちゃったんだ。
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