とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
遠慮しなくてもいいんだよ。ほら、もうちょっと深く。
( 小さな歩幅で此方へと近付き、膝を指し示され数秒思考を止めてしまった彼女を微笑ましく見詰め。矢張り狼狽の色が見え、己が初心な娘の手解きをすりこの状況に男としての満足感が募っていくのが分かり。相手が何も言わないからか、自身で考えそうっと体重をかけないよう腰を乗せる彼女に肩を揺らして笑い。身体も横向きで、これでは口付けもし辛い。一先ず細腰に腕を回して深く座らせ、丁度側にある肩口に徐ろに顔を埋め、先程の御要望通りに擦り寄って。小さな身体は柔らかく女性的で、こうして抱き締めるのに丁度良い。落ち着く匂いを感じつつ、無意識に小さく安堵の溜息を。)
霖:
お待たせ。…うん、良い天気だね。
( 茶漉しに茶葉を詰めて湯を入れ、二人分の湯呑みと共に盆へと乗せると部屋へと戻り。庭へと面する障子を開け、見える後ろ姿にふっと笑み。盆を挟んで隣に腰掛け、頬を撫で髪を揺らす風に心地良く目を細めて。こう天気がいいと、皆に休みを与えたのも正解だったかと思えてくる。景色を眺めるのもそこそこに、彼と自らの茶器にゆっくりと茶を注ぎ終え、視線は再び庭へと。さて、何から話したものか。聞きたいことというのは勿論想い人についてだが、そも彼は弟と主人が好い仲だということは既知なのだろうか。横目で近侍の様子を窺い、内心で首を捻り。出来れば知らないでいて欲しいが、勘付く程度されなければ話が進まない。そろりと顔を覗くように身を傾け、控えめに問いを。)
───…それで、その。…昨日、膝丸から何か聞いたりしてる?
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