とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
勿論。でも、机越しは嫌だな。───ほら、おいで。
( 何処か居心地の悪そうな様子を見せていた彼女が、口付けの話となると素直に頷いてくれるのが可愛らしく、無意識に目尻が落ちてしまう。許可を請われる理由は分からないが、拒む訳もなく首肯を返し。しかし此方へ伸ばされた手はそのまま?には触れさせず、一回り以上大きな手で絡め取ると場所の変更を促して。握った手を離し、少し卓から距離を取るとその場で座り直し、膝をとんと叩いて彼女の座す場を示して。緩く腕を開き、にっこりと上機嫌な笑みを見せて首を傾け、小さな子供か小動物を呼ぶような声の調子を己が主人へと向け、多少の揶揄も織り混ざっているのか目を細め。)
霖:
近侍としての初めてのお仕事がお茶汲みだなんて、膝丸に怒られちゃうよ。縁側ででも待ってて。
( 付け足された文言に更に気を解き張っていた糸を弛ませ、自身が存外不安に思っていたことを自覚し。想いが通じ合った翌日に距離を置くなど、余り良い印象を持たれずとも仕方がないとは思っていた。首がことんと傾き、幼さを感じるその仕草が似合ってしまう彼にくすりと笑いながら、主人を労わる様子に緩く首を振り。折角今日は休業すると決めたのだから、彼を近侍として使うのも明日からにしておこう。──それならば今日一日は愛しい彼と懇ろにしておけば、と一瞬でも思ってしまった己を戒め。彼の雰囲気に合わせるようににこやかな笑みを見せ、二三歩後退した後に少々口篭りつつ一言を残し、追及が来る前にと厨へと爪先を向けて。)
それに、……色々、聞きたいこともあるから。
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