───月夜に浮かぶ、 ( 〆 ) 

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とくめい  2019-09-25 09:21:08 
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  • No.227 by 日和 / 膝丸  2019-11-27 21:03:36 



→ 日和

ううん、ダメじゃないよ。いっぱい触って欲し──あっ、待って。今の嘘、あんまり触っちゃだめ。
( 自分より身体の大きな相手を腕に抱いた事などあまりないが、上から包み込んでしまえば存外可愛らしい。ゆったりとした手つきで髪を梳かし、彼から伝わる温もりにほうと吐息を零す。そのままふわふわと幸せな心地で返答を口にするも、耐性の無い状態でまた拒絶してしまうのはいただけない。彼を傷付けない為にも、先ずは触れ合いに対する慣れを身に付けなければと咄嗟に訂正しては、今更ながら胸の膨らみを押し付けていた事実にほんのりと頬を染め。しかし拒絶される事も、はしたないと言われる事もなく。腰へと回る腕にほっと安堵しながら、胸元に顔を埋めている彼の頭部へと柔く頬を擦り寄せ、のんびりと気の抜けた口調でぼやき )
…代わりにね、私がたくさん触りたいなぁ。


→ 膝丸

主?──ああ、…すまない。軽率であったな。
( 軽い触れ合いで欲を抑え、気を取り直そうと本題についての話を続けたものの、顔を上げた事で彼女の白い肌に赤みが滲むのが目に入り。先程狼狽しながら途切れ途切れに制止を掛けていた彼女を思い出す。もしや己が襲うつもりで触れたのだと思われたのだろうか。勿論そういった欲望はあるし、強ち間違いではない。だが一応は想いを断たれた身、恋仲でない異性にこれ以上を望める程浅はかでもなく。彼女自身も本気で手を出されると思ったわけではないのだろう。そう思考し主人の口から発される言葉を静かに待つが、余程困惑したらしい。徐々に広がりゆく赤みが耳の縁にまで辿り着き、最終的には顔を覆って背を向けてしまった。弱々しく稚拙な文言を零す彼女はいじらしく、思わずぴくりと口元が緩む。込み上げる愛しさを悟られぬ様ゆっくりと深呼吸し、普段通りを意識しながら小さな頭をそっと撫で )
…困るようであれば、こういった事は控えよう。

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