とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
ごめんね、嫌だった?でも、僕も逃げられるのは嫌なんだ。
( 子兎のように小さく震える腕の中の彼女に、庇護欲を唆られて仕方がない。元々弱かった抗いが更に弱まり、ジャージに皺を刻む。やっと受け入れる姿勢を見せたかと思えば、口にするのは幼ささえ感じる稚い言葉。余りに拙くて、あはは、なんて典型的な笑い声が溢れ。既に齢は二十半ばも過ぎるというのに、言動はまだまだ幼いまま。抱き締める腕を緩め、幼子を諭すように柔らかな声で、しかし固い意志で、肯ぜない意を告げ。服を握る小さく繊細な手を取り、己の一回り程大きい手と指を絡めて結び合わせ。こういった雰囲気にはなってしまったが、真面目な彼女は絆されてくれるのだろうか。肌と肌を擦り合わせながら、反応を待ち。)
霖:
────う"ー……んん、ひざまる、…。
( 甘い睦み合いの時間もそこそこに互いに眠りに落ち、結局その日は余り息巻くこともなく、新たに顕現させた刀剣との親交を深めることに専念した。彼ともその後何事も無く、初々しさ故に少しだけ気まずいような雰囲気が流れていたが、それも惚気られる程度には心地が良かった。問題はその翌日であり、起床するなり昨日からずっと抜けない倦怠感と頭痛に襲われ、身体を起こすのも億劫で。身を締め付ける和装をする気にもなれず、Tシャツに学生の頃のジャージを履き、再びの睡眠を誘う寝具の横を通り過ぎて隣室の襖へと。歯切れ悪く襖越しに彼を呼び、返事を聞く前に手を掛け顔を覗かせ。想い人たる彼にだらしない格好を見せるのは憚られるが、今日ばかりは致し方ない。眉を下げて笑い、申し訳なさそうに肩を竦め。)
その、ちょっぴり具合が悪くて。今日のお仕事、こんな格好でもいいかな…。
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