とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
うん、───…ふふ、ありがとう。さ、相談がてら一緒に食べようか。
( 此方が投げ掛けた問いを聞くなり表情を曇らせる彼女に疑問符を浮かべ。途中で途切れてしまった言葉の意に目を細め、一先ず彼女の視線の動きと共に再び盆へと睫毛を下げ。彼女は謙遜しているが、己から見ても良く出来ていると思う。最初は厨になど立てるのかと半信半疑だったが、取り越し苦労だったようだ。過保護な自身に対し笑みを零した後、柔らかく礼を告げ。襖を更に広く開くと、その細肩へと腕を回して緩く背を押し、己が部屋の畳を踏ませ。一体何を悩んでいるのかは知らないが、ここでまた何も話してもらえないのは、流石に今まで築いてきた己の矜持にも関わる。初期刀相手と言われ勝手に相談でもしに行ったのかと思っていたが、勘違いだっただろうか。そっと座布団を敷き座るよう促すと、その対面へと腰を下ろし。)
霖:
も、もうっ。あれは別に抱っこしてもらいたかったわけじゃないもん。
( 収納から取り出した寝具一式を、主人の手前だからか普段からそうなのか、皺のないよう丁寧に整える様子をじっと眺め。きっと後者なのだろう、そんな生真面目な彼の気性を愛しく思い笑みが浮かび。端正に敷かれた布団を背に此方へと伸ばされた手を見、礼を告げようとしたところで、小さな冗句に内心でむっと頬を膨らませ。差し出された手を取り、もう幼児でなく一人で歩けるのだと褥へと寄り。寝易いようにと襟元を緩め、静かに柔らかな生地へと腰を下ろし。空いた隣へ彼が来てくれるのを待ち、再び心臓が高鳴り始め。頭の中は彼との接吻のことで埋め尽くされる。早く、早く彼と唇を重ねたい。ぴたりと密着して抱き寄せられたいし、その大きな優しい手で頭を撫でられたい。落ち着かない様子で身を捩り、彼の方を窺い。)
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