とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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燭台切:
────ん、ちょっとまってね、…。
はい、お待たせ。歌仙くんとの話は済んだ?
( 普段と違う反応を見せる主人に心を乱されてから数刻、偶の暇に読書にでもと、暫く前に購入した現世のレシピ本を眺め。色取り取りの付箋が顔を覗かせる頃、廊下から聞こえるのは何処か堅い女声の声。何か告げられるのだろうかと余計な邪推が頭を過るが、溜息と共に洗い流し。少し荷物持ちを断られた程度で深く考え過ぎだ。女々しい自らに呆れ、本を閉じると軽く身形を整えた後、彼女と己を隔てる襖を軽快に開き。何気無しに問いを掛けつつその姿を見ると、携えている盆に金色の瞳を丸くして。ああ、そういえば己のための買い出しに出掛けていたのだったか。ぱちりと瞬きをし、盆へと落ちていた睫毛を上げて。薄らと笑みを浮かべると緊張を溶かしながら口許を緩め。)
霖:
……う、ん。執務室だと、誰かに見られちゃうかもしれないし…。
( 少しばかり間を開けて返される了承にほんのりと頬を染め、重ねられた掌へと視線を向け。無論近侍部屋とて誰かに見られる可能性はあるが、主人を訪ねた刀剣が近侍と一つの寝具で添い寝をしている姿を目撃、という状況は少しは避けられるだろう。しかし就寝前の口付けをする口実とはいえ、想い合っている男性に共寝を誘うというのは如何なものか。彼がそう段階も踏まずに手を出すとは思えないからこそこうして無警戒に閨へと誘うことが出来るが、確かに常々言われているように危機感が欠如しているかもしれない。些か軽率な自身に羞恥を感じつつ、そっと両掌を離し。裾の皺を払いながら腰を上げ、そろそろと隣室へと。書類の提出は目が覚めた後で良いだろう。想いの通じた今くらいは、年相応の色恋沙汰に夢中になりたい。)
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