とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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→ 日和
──…みっちゃん、居るかな。
( 数刻後、無事に菓子作りを終え。食事処の中央にある席へとクッキーが沢山乗った大皿を置くと、作業を終えた達成感にほっと胸を撫で下ろし。適当に摘んでもらえるようにと男士達に宛てたメモ紙を添えて。結局、初期刀の彼には感謝の言葉すら言えず仕舞いだった。これでは本当に主人失格だ、なんて先刻の彼の気落ちした姿を思い出して溜息を零す。菓子作りの最中も、ふと頭を過っては溜息の繰り返しで、何とも不甲斐ない。しかし、これ以上は呑まれぬようにと両頬を叩いて気を引き締めては、彼には今度改めてお礼をすれば良いと鬱な気分を無理矢理払拭し。そのまま気を取り直して厨へと戻れば、次は近侍の彼の元へ行くべく、冷やしていたティラミスを取り出して最後の仕上げを。そして準備を終えるなり緊張の息を吐くと、早速盆を持って彼の部屋へと足を向かわせ。そう時間も経たずして襖の前まで辿り着けば、窺うようにそっと彼の名を呼び )
→ 膝丸
…ああ、俺も付き合おう。
( いっそ何も考えずに彼女の唇を奪ってしまえたら、どれだけ楽な事か。そんな欲を見透かされたのか、眉を下げた彼女からの制止の言葉には僅かに肩を落とし。拒絶されたも同然の状態に苦笑を浮かべたところで、歯切れ悪くも掛けられたお強請りにゆっくりと瞬きを。口付けはダメだが、寝る前であれば良い。つまり昼寝の誘いをするという事は、その口付けを許すという事だろうか。何処か矛盾しているようにも感じる彼女の発言に小首を傾げつつ、真意を探るような視線をじっと向ける。だが、あまり勘繰り過ぎて彼女の気が変わってしまうのは避けたい。余計な口を挟む事なくただ頷けば、頬に添えていた手を彼女の手に重ね )
すぐに床を整える。布団は、…俺のものが良いだろうか?
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