とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
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歌仙:
これは僕よりきみの方が分かるだろうね。しっかり予算と相談して決めるんだよ。
( 先程とは打って変わって随分と穏やかになった彼女の表情を窺いながら、店先に並ぶ色取り取りの物品に視線を向け。己はついつい骨董品などに目が行ってしまうが、初太刀の彼ではあまり向かないだろう。元は同じ刀とはいえ、人の身を与えられれば趣味嗜好は細かく異なる。料理に興味を持つという点では共通した彼を思い浮かべ、思案に耽り。厨関係の贈り物ならば助言は出来るが、それでは女性が男性に贈る物としては少々色気がないだろうか。そういった気がないにしても、多少なりとも洒落た物の方が雰囲気も作れる。どうしたものかと辺りを見回し、目に付いた店にふむ、と顎を引き。)
櫛だとか、手鏡だとか、なのかな。難しいね。
霖:
………ん、…ひざまる、…?
( 固い畳の上で取る睡眠は浅く、転寝の中で幼い頃の夢を見た。とはいえ結局頭の中は彼のことばかりで、無邪気だった頃への憧れが夢路にまで表れたのだろう。抱擁を強請れば困ったように笑い、優しく頭を撫で、宥めるように声を掛けられる。祖父の手前少し気まずげな彼は今見るととても可愛くて、思わず笑みが零れる。彼の手が髪から頬を伝い、指先に擽られ──薄らと、視界が開け。見えるのは先と変わらない天井、変わらない彼。一体何が違うのか、微睡みと現実が曖昧になった頭では判断がつかず、不思議そうに瞬きを。途端溶けたように笑みを浮かべると、彼を見上げたまま緩く腕を広げ、眠気で舌の回らない幼い口調でおねだりを。)
…膝丸、ごほうびは?
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