とくめい 2019-09-25 09:21:08 |
通報 |
→ 日和
……だん、じょ?
( 何処か早口に紡がれていく言葉を緩く頷きながら聞いていたも、唐突に話を途切った彼に視線を上げ。前を向いてしまった彼の後ろ姿を不思議そうに見詰めるが、暫し思案した後、再度振り返った彼から発された単語にはきょとりと瞬きを。主従ではなく、男女のそれとはどういう意味なのか。ぼんやりとした頭で疑問を浮かべ、首を倒しつつぽつりと復唱する。そのまま数秒考え込んだ所で、急に彼の言いたい事が理解出来たのか、徐々に頬は赤みを帯びていき。もし他の男士達にもその印象を与えているのであれば、近侍の彼には申し訳が立たない。咄嗟に数歩先にいる彼の隣へと並び立てば、彼の服を軽く掴みながら心配そうに視線を送り )
──ど、どうしよう、歌仙。…私のせいかな?
→ 膝丸
…君の想い人について、俺がとやかく言える立場ではないが…──面白くない、と思う。
( どうやら誤魔化しは上手くいかなかったらしい。此方の失言を聞いて目を丸くした後、徐に距離を詰めた彼女の手が頬に添い。どうにも答え難い問いが掛けられると、返答に迷う様に視線を一度横に流して。胸中に渦巻く黒く醜い感情を、今この場で吐露して良いものか。折角想い人がいる事を打ち明けてくれたのだ、己が彼女の気持ちを否定する様な事は言いたくない。故にのらりくらりと本心を濁しておこうかと思案したものの、ふと彼女から付け足された言葉には息を呑み。主人としてではない、彼女からの頼み。本来なら強制力はないのだろうが、何分昔から彼女には弱い所がある。お願いとまで言われて断れるわけがなく、仕方ないと覚悟を決めては、逸らした視線を彼女へ真っ直ぐと向け )
トピック検索 |