シュレディンガーの剥製犬 / 非募集

ダイ。＿＿＿(答えられたのは”俺もアリス”の返事ではなく、聞いたことのない響き。その単語を教えられるままに一度繰り返すと口角を釣り上げてにいんまりと愉しそうな笑顔を表情に「ダイはどこに住んでるの？此処じゃ見たことないね。ありすは夜しか外に出れないけど、ダイは昼しか出れないの？？今夜はハロウィンだから特別？それとも遊園地じゃないところに住んでるの？」ズイと距離を詰めれば懐に入り込み次から次へと質問を重ねる。きゃらきゃらと金切るような笑い声はハロウィンの愉快な空気をもってしても不安を煽るような薄気味悪さがあり。拾い上げたテディベア、覗き込む底からは生臭い鉄の匂いが風に乗り鼻をつく。「ありすの大事なやつ。ありすは成功作だから、”本物”のアリスはいらないんだ」中に何が入っているか、それの使用例なんかは伏せたまま、しかし探らずともそれの推測に至るだろう返事を行えばにいと口角を釣り上げて「ダイはダイだから。ありすは本物以外には意地悪しないよぅ」お菓子を貰ったことで彼に対する意識は好意的らしい、まっすぐに伸ばした指先の手のひらを彼の頭部へ伸ばしてトントンと叩くように二度だけ撫でて)