語 2019-08-19 18:00:54 |
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>>麦
ちょっと、待って
( 誰かの気配を察知して体勢を直した。やってきたのは見知った彼。花を見にきたのだろうか、なんて呑気に思い水やりを続行する。それに、花といえば、彼の身体に咲く鮮やかな花々はいっとう綺麗だな、ということも考えながら。ーーすると突然、彼の手が伸びてきては花を掴み引っこ抜こうとする。驚きのあまり未だ中身が入ったままの如雨露を宙で手放し、手首を掴んで止めようと腕を伸ばした。地面に落ちたそれから広がっていく水溜まりも厭わず、相手をじ、と見つめれば、いつもとはちがう、どこかぴりついた雰囲気を察する。どうして花を抜こうとしたのだろうか。今の行為は彼がもつ奇病に何か関係があるのだろうかとも思ったが、今はとにかく相手を落ち着かせるのを先決とし )
麦、なにやってんの。乱暴はだめだよ、花だって生きてるのに
( / 絡みありがとうございます、これからよろしくお願いします! )
>>一華
うんん、まあ …… 。 あ、なにそれ。
( もうすっかり花に見惚れていたせいで相手の登場にすこしだけ驚く。素早く手を引っ込めると、返事に口籠もりながらも、ほころばせた顔をきゅっと締めて。しまった、見られていなかったかと隣の様子をちらちら伺う。だって、普段無愛想にしている自分が花に笑いかけていたなんて知られたら、なんだか恥ずかしいような気がする。特に横にいる彼女なんて年が一つしか離れていないわりには随分大人びて見えるからか、自分が子供扱いされるのはどうしても避けたかった。とにかくなにか話題を変えてしまおうとあたりを見回せば、周囲の景色に溶けるように透けた彼女の手が、なにやら紙のようなものを持っていることに気付く。平然を装いながら視線を送りそれについて尋ねてみては )
( / 絡みありがとうございます!これからよろしくお願いします )
>>干原さん
うん。でもこんなところに咲いたって、せいぜいおれたちしか見ないのにね
( 背後からかけられた言葉にちいさく頷く。慣れないながらも一生懸命に育てた花はやっぱり綺麗で可愛くて、けれどそれと同じくらい可哀想にもなった。外の世界で咲いていればもっとたくさんの人に見てもらえて、褒めてもらえたはずなのに。花に罪はないことなんて充分に分かっているけれど、ひねくれた自分はこんなことばかり言ってしまう。ちくりと針が刺さったような胸の痛みなんて、ちっとも知らないふりをした。ふと振り返った先にいる彼はたしか干原、と呼ばれていた気がする。自由に生きてゆけるはずなのにわざわざこの檻の中へやってくるなんて、世界には不思議な人もいるものだ。花壇を囲む煉瓦の上に座り込めば、山なりに折りたたんだ膝へ頬杖をつき、いつもの表情で彼を見上げ )
干原さんって、どうしてこの病院にきたの
( / 絡みありがとうございます!大変なことがあったのですね、ご無事でほんとうによかったです…;; これからよろしくお願いしますね )
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