ななしのシロさん 2019-08-18 23:20:31 |
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(隠し事をしている、と感じ、少しだけ視線を下げて考える。だが、今のレフィには材料が少なすぎて答えを導くことはできないと判断し、すぐさまいつも通りに戻す)
…そう、ですか。
では、また。
(くるりと回って、歩き出す。今度は振り返らず、真っ直ぐに。
会いたいときに会える、という曖昧な返答は、更に頭の中をかき乱すものでしかなく。
レフィにしては珍しく、ただただ、知りたいと思うだけだった。
一度好きになった物語なら、最後まで読みたい。謎の答えを知りたい。
推理ものなんて、小さいころによく読んだ。まさか自分が、どこかの本の主人公のように謎に迫ろうとするなんて思わなかったけど。
知り合って一時間未満の人間に話せないのなら、親友にでもなればいい。
次の日の放課後、レフィはまたあの本棚へ向かった。
明日のやるべきことを手帳から探しているので、本棚の方まで視線は床に行ったまま。チラチラと時々前を確認するものの、危ないのには変わりない。本棚の方に人が立っているかいないかなんて、見ていない。
ようやく本棚にたどり着いたと、顔を上げると)
――……ああ、いらしたんですね、シロさん。
こんにちは。
(昨日のような困惑の表情はなく、いつも通りの、誰が見ても笑っていると思う笑顔で笑いかけて。
本当に会えたと、内心驚く)
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