master. 2019-07-20 13:07:55 |
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___カラン、と、グラスの中の透き通った氷が音を立てた。ゴシック様式を思わせるステンドグラスの嵌った丸窓から、零れた光の筋は向かいの彼女の背中を温めている。数え切れぬ程沢山の国々の様式が混じりあった、混沌とした、それでいて調和の取れた穏やかな空間で、夕暮れの時間はセンチメンタルに過ぎていった。
【 世界観?】
現代社会の忙しない日々の隙間か、はたまたRPGの異世界めいたケルト風の国か、此処は何処にでも存在する、しかし何処にも存在しない会員制ホテル。会員となる方法は噂が噂を呼び闇の中、しかし会員となれは手土産を持参の上代金は無く、1時間でも数日でも、何年という単位でさえ滞在することが可能な様。施設の中は様々なテイストが入り交じったごった煮状態。ゴシック様式の荘厳なラウンジ、ケルト風のトラットリア、さらには共用の浴場、客室、洋館の風体をした広いホワイエと箱庭などが存在する。舞台はそんな不思議な場所、その名は"語らいの箱庭"。妖精、天使、魔女、鬼に桃太郎などおとぎ話の住人から現代に活躍するサラリーマン、探偵、スーパーヒーローまで多種多様な話好き、訳ありの常連様が集まるそんな場所で今日も、様々な語らいが始まる_____…。
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