――華を愛でる獣は散るか？【 ダークファンタジー / 群像劇 】

＞8 匿名さん

ようこそ、また会ったね。今回は背後ではなく、私の口調で失礼するよ。
勿論覚えているとも。あの世界で意気揚々と輝き、ストーリーの歯車を担ってくれた君を忘れるわけが無いだろう。詳細な質問を有難う、早速答えていこうか。

＿＿と、その前に。僧侶系統の能力を検討中とのことだが、攻勢に向かない秘奥はお勧めできない。母親を探す旅路は物騒だからね。とは言え、君を庇護する何者かをストーリーの中で見つける、という設定なのであれば偏に無茶無謀とも言えないが。

・チェッタリントンは、君の前では完璧な母親を演じていた。故に君は彼女に依存し、君の世界は彼女中心に回っているのだろう。

・場所については、賢察の通りだ。尤も、その偽りの愛の巣は人間に焼き払われ、今は跡形もない。

・魔族に対する狂おしい程の憧憬を忘れていないのならば、教会で育てられたという設定も悪くない。君は悲しい程に人間だが、母親に愛される為に魔族へなりたいとすら願うだろう。騎士団にて戦闘の指南を受けたのならば、君の師となった人物を此方で用意しよう。

・チェッタリントンが生粋の魔族であることは、君も良く知っている。何故なら、彼女が優しく接した人間は君だけだったからだ。君の目の前で、彼女は幾度も人間を蹂躙・殺戮している。その上、彼女は自身が魔族であることを隠す心算など毛頭なかったようだ。君は人間でありながら魔族に育てられた、どっちつかずの哀しい存在であり、性悪な彼女は君にその悲劇を背負わせるために敢えて魔族らしく振舞ったのだろう。従って、君の倫理観も正常ではない可能性が高く、聖なる僧侶とは程遠い像が好ましいかもしれない。

・チェッタリントンの事だ、君の実母の記憶は彼女が握っているだろう。実母の痕跡を残す様なヘマはしないだろうし、そもそも君の母はチェッタリントン只一人だけだと思い込ませる様に巧妙な手を巡らせている。

・チェッタリントンは翡翠色の長髪に黄金の双眸を持つ。その瞳孔は縦に切れ長で、まるで蛇を彷彿とさせる。目元や手の甲など、身体のあちこちに美しい鱗があるのを君は覚えているだろう。そして彼女は、この世界では聞き慣れぬ不思議な訛り口調で話す。


＿＿以上が質問への答えとなる。上手く答えられているだろうか、また何か不明点があれば遠慮なく問い合わせてくれたまえ。改めて、参加希望を有難う。君に会えるのを楽しみに待っている。