見守る者 2019-07-02 21:57:31 |
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(誰の声もしない洋館はさながら棺桶のようで、住まう人間が皆死者であること思えばあながち間違いでもないのかと一人で笑う。元よりひっそりと静まり返った場所ではあったが、ここのところ痛いほどの静寂に沈んでいる。それは馴れたものであるにも関わらず、この洋館で少なからず交流関係を持った後では堪えるものがあるなぁなんて。誰もいないサンルームで、数人分出したカップの一つに手を伸ばせば注がれた冷えきった紅茶を一口飲んだ。)
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