――ッ( 不意に働いた引き剥がされる力、獲物を逃すまいと反射的に両腕は若者を抱きしめる形になり / 首だけで振り向いた吸血鬼の双眸は、まさに夜闇の獣の眼光宜しく爛々と紅く輝き / 口の端からは長く鋭い牙と、顎を伝う赤い蜜が )……すぐ、る…?( そんな馬鹿なとばかりに瞠目 / あまりの衝撃に獲物を抱き竦めていた両腕は脱力し )