真夜中の車掌さん 2019-06-29 06:07:22 |
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>車掌さん
「……それがね、できないの。弱い人間だからかな。
やめると『一人』になってしまうっていうのが怖くて、どんなに嫌でも人の傍から離れられない。
自分を偽って嘘をついてでも人に好かれていたい、そうすれば少なくとも『ひとり』にはならないからね」
(僅かに目を細めた表情に憂いのような感情が浮かび、先程よりも落ち着いたトーンで口を開き)
「だからわたしは『わたし』っていう嘘をつく事にしたの。
面白いくらい周りは何も変わらなかったよ。みんな可もなく不可もなく、わたしのそばに居てくれる。
でもねえ、満たされないの。不思議。これが『絶望』なのかな」
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