名もなき妖 2019-06-23 19:17:07 |
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( 饅頭を食べながらぼんやりとしていた所に頭上の方から懐かしい声に我に返ると勢いよく顔を上げてしまい。視界にはあの頃とは違い成長した彼の姿に眼を見開き『 夏目── 』思わず小声で名前を呼びそうになるのをぐっと堪えると軽く瞼を閉じ、ゆっくり開くと親友でもある斑へ『 斑よ。折角迎えに来てくれたのだから、今日はお開きにして帰ったらどうだ。……あまり人の子を困らすでないぞ。特に彼は──何でもない。 』帰るように促すと最後何かを言いかけたが、今でないと思い有耶無耶に終わらせて。ゆっくりと立ち上がりニャンコ先生( 斑 )を両手に抱えては「 おいっ、桜花! 離せ! 離すのじゃっ!? 」 腕の中で暴れるのを他所に笑顔でそっと手渡すと至近距離のまま耳許で相手にとっては謎であろう言葉を囁いて )
夏目──大きくなったな。また会えて私はとても嬉しい。あの頃と変わらないからすぐに気付いた……貴方があの時の夏目だって。
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