名もなき妖 2019-06-23 19:17:07 |
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( なかなか帰ってこない用心棒を探しに七つ森に足を踏み入れ早30分。今晩の夕飯であり、彼の好物でもあるエビフライの名を出しても姿を見せない現状に、いよいよ本気で心配になり始め大声で呼んでみるもやはり応答は無く。困り果てて辺りを見渡した時、ふと風に乗って季節外れの薄紅の花弁が視界を過ぎり。風向きを辿った先、前方には目を見張る程立派な桜の大樹が。乱れ咲く様は美しく幻想的で誘われるように近づいて行き。すると木の下の人影に気付き、片方の見馴れた丸いフォルムは目当てである探し猫だが、傍の女性は知らない顔で。見目は人とそう変わらないが、浮世離れした雰囲気から彼女もまた自分にしか見えないのだろうと何となく察しつつ背後から怒気とも呆れともつかぬ微妙な声で、 )
見つからないと思ったらこんな所にいたのか…。楽しんでるとこ悪いが、そろそろお開きにしてくれないか先生。
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