匿名さん 2019-06-20 12:51:35 |
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は……?
(疲弊していたはずの少女が前に回り込んできたかと思えば、その口から出てきた言葉に思わず呆然とする。
いやいや、お前こそ危機感軽いだろ。あんまり軽いとヤられるぞ。
……と、言ってやりたい。)
別にいい人じゃねえよ。
(言ってやりたかったが、それだけにとどめておいた。
そしてそれ以後は歩みが少し早くなった。早く休みたいのか、俺に気をつかってるのか。どちらにせよ俺もやはり足並みを合わせよう。
それから……10分経ったか経ってないかという頃合。ポケットに手を突っ込んで鍵を取り出そうとしていれば、さすがに限界が来たのか、少女が疲れたと告げてくる。俺はすぐそこに立っていた三階建てのワンルームマンションを指さした。)
着いたぞ。おつかれ
(敷地内へ入り、階段……へは向かわずに、一階に並ぶ部屋のうちのひとつのドアの前でまた止まり、鍵を開ける。
ドアが開かれると、奥に十畳ほどの部屋が広がっている。
一人暮らしにしては広いその部屋にはテレビ、冷蔵庫、本棚、ローテーブル、ベッド、ソファと充実した家具が置かれていた。
しかし充実している家具とは対象的に、趣味の類のものはほとんど見られなかった。
本棚があるといってもそこに置かれているのは漫画ではなく、大学のものと思われる教科書の類ばかり。
一応最新のテレビゲームは置いているが、ソフトの数は少なく、その少ないソフトもすべてが複数人でプレイするのが主なもので、一人プレイ用のゲームはひとつも置いていなかった。)
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